東北の山遊び(雑記帳)

日々感じた事を気の向くままに書いていきます。添付写真とは無関係な内容も多いです。

映画 『シン・ゴジラ』

『エヴァンゲリオン』シリーズなどの庵野秀明と『進撃の巨人』シリーズなどの樋口真嗣が総監督と監督を務め、日本発のゴジラとしては初めてフルCGで作られた本作『シン・ゴジラ』は、ゴジラ大好きな私にとっては必見の映画です。

さっそく本日観てきましたよぉ~。

あらすじ
東京湾アクアトンネルが崩落する事故が発生。首相官邸での緊急会議で内閣官房副長官・矢口蘭堂(長谷川博己)が、海中に潜む謎の生物が事故を起こした可能性を指摘する。その後、海上に巨大不明生物が出現。さらには鎌倉に上陸し、街を破壊しながら突進していく。政府の緊急対策本部は自衛隊に対し防衛出動命令を下し、“ゴジラ”と名付けられた巨大不明生物に立ち向かうが……。





この作品は今までのゴジラ映画とは全く異なった視点で描かれている点が秀逸です。
現代日本に未知の巨大生物が上陸したさい、政府並びに自衛隊は如何に対処するべきか、という有事シミュレーションをとことん突き詰め、縦割りの現在の政治&行政組織の硬直化がまねく意思決定の鈍足化をあぶりだしています。
それに放射能汚染まで踏み込んで描かれているのは、現政権におもねることなく、映画としての自由な表現を打ち出していて好感が持てます。
特に圧巻だったのは多摩川攻防戦で初めて火器の使用を発動した総理の決断と、そこから始まる激しい攻撃シーンです。
ヘリで空中から遠景で撮ったアングルが素晴らしかったです。

でも褒められる点ばかりではなりません。
300人を超える登場人物と、ほとんどのシーンが会議室及び執務室で占められている点は、カット割りし過ぎの編集も含めてマイナスポイントだと感じます。子どもを連れていったら絶対に飽きてしまうでしょう。
それにほとんどの登場人物が早口過ぎて、セリフが聞き取れないことも多く、演出面で疑問符をつけざるを得ませんでした。

本作品の主役はゴジラそのものですが、その最終造形ははっきり言って私の好みのゴジラ像とはかけ離れています。
一昨年公開されたギャレス・エドワーズ監督の「GODZILLA ゴジラ」の方が活動的で筋肉質溢れた生物としての躍動感が感じると思いました。
それにちょっと懸念していたのですが、熱線放射のシーンはどう見ても巨神兵にしか見えませんよね(笑)

まとまりのない感想を書きましたが、ゴジラ好きは見て損はない映画だと思いますので、評価は75点です。

石原さとみは可愛い女性で、この映画の花にもなっておりますが、米国大統領特使 カヨコ・アン・パタースン役と言うのは無理が過ぎましたね。

  1. 2016/07/29(金) 18:17:42|
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映画 『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』

20年前に公開され、地球に攻めてきた侵略者と人類の激突を描いたSF大作『インデペンデンス・デイ』は、当時のVFXやCGの技術技術を駆使した映画で、その迫力に度胆を抜かれてしまいました。
ウィットに富んだセリフと、爽快な話の帰結が素晴らしく、ローランド・エメリッヒ監督の名を広く映画ファンに認知させた良作だと思います。

そして前作での闘いから20年後を舞台に、地球防衛システムを完備した人類が再び侵略者と対峙する本作
『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』は、前作のファンには絶対外せない作品です。

あらすじ
エイリアンによる地球侵略に人類が立ち向かい、およそ30億人もの命を失いながらも勝利を収めてから約20年が経過した。人類はさらなる襲来に備えようと、エイリアンが残した宇宙船の技術を転用した地球防衛システムを作り上げる。2016年7月、そんな人類を試すようにアメリカ全土を覆うほどの大きさを誇るエイリアンの宇宙船が出現。彼らは重力を自在に操る圧倒的な科学力で、ニューヨーク、ロンドン、パリといった都市を次々と襲撃する。猛攻撃は止むことなく続き、人類存続の要であった防衛システムも無力化してしまう。




余りにも大業なディザスター映画ばかり作ってきたエメリッヒ監督ですが、そのハッタリ的な描写はこの作品で極まった感じがします。
アメリカ大陸級の超ド級マザーシップの襲来により、その機体の内部重力で地表のありとあらゆる建造物やランドマークが持ち上がり、それらが一斉に落下してくる地獄の様相はエメリッヒ監督でしか表現できなかったでしょう。

でも本作品の見せ場はここまででした。

前作はウィル・スミスと言う物語の核となる主人公がいたので、物語の視点がぶれない作りでしたが、ウィル・スミスが出演しない本作は誰が主人公なのか一向に分からない群像劇に終始したので、話の内容がとても希薄に感じました。

あまり詳しく書くとネタバレになってしまいますが、最後は何やらエメリッヒ監督の黒歴史である『GODZILLA』のラストシーンを彷彿させますし、『GANTZ』の様な球体の出現に至っては、『この展開はないだろぅ~!』と苦笑してしまいました。

ネット民の中では中国市場を意識し過ぎる内容、と不評をかっていますが、今やアメリカを凌駕する勢いの中国の映画産業の隆盛を考えると、ビジネスなんだからそれは仕方のない事です。
日本の映画で毎年ヒットするのはアニメ、もしくはイケメン俳優をキャスティングした邦画である点も、ハリウッドがより中国にシフトする原因なんですよ。

話が逸れましたが、元大統領役のビル・プルマンや、技術者役のジェフ・ゴールドブラムなど第1作のメンバーが再結集していて、何か同窓会に出たような感じを味わえたので、今回の評価はおまけして60点です。

しかし何も考えずに凄い映像を楽しむだけなら、夏場の2時間の冷房の効く避暑にはもってこいだと思います(笑)


  1. 2016/07/21(木) 22:06:53|
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映画 『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』

2010年に公開されたティム・バートン監督の『アリス・イン・ワンダーランド』の続編に当たる、
新作『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』をマスさんと観てきました。

今回監督をされたのはジェームズ・ボビンで、ティム・バートンは製作側に回っているようです。

原題は『鏡の国のアリス』なんですが、その点はほんの僅かしか触れられておらず、今作品は時間の旅がメインの主題になっています。
すっかり大人になったミア・ワシコウスカやジョニー・デップなど前作のキャストが続投し、時間を司るタイムを、『ブルーノ』などのサシャ・バロン・コーエンが演じています。



あらすじ
ワンダー号での3年に及ぶ船旅からロンドンに帰郷した後、青い蝶アブソレムにマッドハッター(ジョニー・デップ)のことを聞いたアリス(ミア・ワシコウスカ)。マッドハッターは、ワンダーランドで死んだ家族の帰りを待っていたのだ。ワンダーランドに着いたアリスは、白の女王(アン・ハサウェイ)たちから頼まれ、マッドハッターの家族をよみがえらせるべく、過去を変えようとする。時間の番人タイム(サシャ・バロン・コーエン)から時間をコントロールできる“クロノスフィア”を盗み、時間をさかのぼったアリスだったが……。


本国アメリカで大コケした評判は聞いていて、こちらの映画レビューでもあまりいい評価を与えられていない作品でしたが、前作は『アバター』が作りだした3Dブームの余勢をかって、家族で楽しめるファンタジー映画のタイミング良い公開だったので、大ヒットしたのは当然と言えます。

でも他人の評判より、ファンタジー映画が大好きな我々にとって、この映画は必見の作品でした。
そんな点も考慮して下記に私の感想を述べるので、多少採点は甘くなっています。

【感想】

前作品はバートンが具現化した奇矯なキャラたちが、極彩色のワンダーランドで繰り広げる奇天烈なアドベンチャー娯楽作でしたが、バートン特有の毒がありすぎる世界観が少し鼻につきました。
頭部をVFXで巨大化させたヘレナ・ボナム・カーター演じる赤の女王が、事あるごとに『首をはねておしまい!』と絶叫するシーンばかり目立ち、見ていてうんざりした思いがあります。
最後のジャバウォッキーとの戦いでは、普通の女の子が、何故突然剣を持って怪物と戦えるスキルがあるのか、唖然として見てしまいました。

しかし今作は前作の様な唐突な話の持って行き方はなく、等身大のアリスの活躍がメインで、しかも話が非常にテンポ良く進むので、お話にドンドン引き込まれていく感じでした。

それに白の女王(アン・ハサウェイ)と赤の女王の幼少期から続く確執にも触れられていて、何で赤の女王が極悪になったか、やっと合点がいきました。

予告編では悪役と思っていたタイムが、実際は凄く良い人だったと言うのも面白かったです。
ワンダーランドを破滅に導くかもしれない“クロノスフィア”を盗んだことについて、アリスを許す優しさを持っています。

まあ、最後はディズニーらしくハッピーエンドで幕を閉じますが、押しつけがましくなく良い印象でした。

でも得意の白塗りでマッドハッターに扮したジョニー・デップですが、大分歳を感じるようになってしまいましたね。
もう白塗り路線はこれで止めにした方が良いと思いますよ。


今回の映画の点数は、大甘で80点です。


  1. 2016/07/07(木) 18:00:45|
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映画 『アイアムアヒーロー』

『アイアムアヒーロー』は花沢健吾の人気コミックを実写化したパニックホラーです。

実はこの漫画をずっと愛読していたものですから、映画化にも期待していたのですが、その内容はいかに・・・

あらすじ
漫画家アシスタントとしてパッとしない日々を送る、35歳の鈴木英雄(大泉洋)。そんな彼の恋人が、人間を凶暴に変貌させるウイルスに感染して襲い掛かってくる。慌てて趣味の射撃で所持する散弾銃を手に外に飛び出す英雄だが、街はZQN(ゾキュン)と呼ばれる感染者であふれていた。出会った女子高生・早狩比呂美(有村架純)と逃げるが、彼女は歯のない赤ん坊のZQNにかまれて半分ZQN半分人間という状態に。比呂美を連れてショッピングモールに逃げ込んだ英雄は、そこで藪(長澤まさみ)という勝気な看護師と顔を合わせる。




話の内容を一言で言うとゾンビパニックものですが、冴えない中年男性が自分の置かれた不合理な境遇に悩みながらも、一緒に逃げる女性二人を必死に守っていくお話です。

予告編を見て、主人公の英雄に大泉洋のイメージがぴったりはまっていたので、外せない映画になっていました。
しかしいろいろ忙しく、なかなか映画館に足を運べなかったので、公開終盤のレイトショーをマスさんと観賞してきたのです。

で、見た感想ですが、漫画も未完のために、ショッピングモールのところまでしか実写化できないと予想していましたが、それは見事に的中しました。

英雄の彼女の黒川徹子が感染して英雄に襲いかかる場面や、それに続く感染者であふれ返った街中からの逃亡劇には手に汗を握って面白かったのですが、最後の展開がいけません。

ショッピングモールから逃げ出す段になってからのスプラッター度が半端なく、ただただ銃を撃ちまくるだけで画面に変化がないため、食傷気味になってしまいました。
原作ではここでZQN化していても人間を銃撃することに主人公は躊躇し、激しい嫌悪感を抱くのですが、それを一切省いてしまったので、単なるシューティングゲーム的な画面展開を延々見せられるだけに終わってしまいました。

グロ画面に耐性のない人ならとても正視に耐えられなかったでしょうね。

それにこの映画の最大の欠点は、ZQN化や比呂美が半ZQNになっている理由が一切明かされない事です。
私は漫画を読んでいるので、原作に沿った作りのために概ね話の流れがつかめているのですが、映画単体で見た場合は何が何だかさっぱり分からない映画だったと思います。

始めから何部作の映画なんだと、知らされていれば何の解決にもなっていないラストもありなんですが、映画が当たったなら次回作の制作を考えよう的な作りはどうも嫌いです。

しかし、低予算ながら鑑賞に耐えられるジャパニーズゾンビ映画を作ってくれた事に敬意を称して、
この作品の評価は60点が妥当でしょう。



  1. 2016/06/16(木) 20:38:47|
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映画 『レヴェナント:蘇えりし者 』

いろいろ忙しくて映画を観に行く余裕がなかったのですが、一昨日久しぶりに一人で映画を観てきました。

今年のアカデミー賞の監督賞、主演男優賞、撮影賞をとったアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督の最新作『レヴェナント:蘇えりし者』です。



あらすじ
1823年、西部開拓時代のアメリカ北西部、極寒の荒野の中、狩猟をして毛皮を採取するハンターチームはネイティブアメリカンの一団に襲われ多大な犠牲にあいながら命からがら船で川を下る。チームのひとり、ヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)はネイティブアメリカンの妻との間にできた息子、ホークとともにガイドとして同行していた。船を捨て山越えルートを選んだチームは森で野営する。翌早朝、グラスは見回り中に子連れの熊に襲われ、瀕死の重傷を負う。急ごしらえの担架でグラスを運ぶが山越えには足手まといであること、瀕死でもあることから、隊長のアンドリュー・ヘンリーが死ぬまで見届け埋葬する者を募ると、ホークとジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)、若いジム・ブリッジャーが残ることになった。ジョンは2人がいない時にグラスを殺そうとするところをホークに見つかり銃を向けられるが、返り討ちにし殺してしまう。ジョンはジムを騙しグラスに軽く土をかけただけでその場を離れる。一部始終を見ていたが動けないグラスは奇跡的に一命をとりとめ、自分を見捨てた息子を殺したフィッツジェラルドに復讐を果たすべく、大自然の猛威に立ち向かいながらおよそ300キロに及ぶ過酷な道のりを突き進んでいく。


本作品は今年のアカデミー賞の監督賞、撮影賞、そして主演男優賞の主要三部門を獲得しました。
最近のアカデミー賞はくそ難しい内容の作品ばかりで、エンタメ的な要素が感じられないものが多かったですが、本作品に関しては近年稀に見る傑作と称しても間違いなさそうです。

しかしかなりリアルでショッキングな血なまぐさい映像が続きますので、女性の観賞に耐えられるかは疑問です。
デート鑑賞には全く向かない作品でした。

近年のハリウッド映画はCGやVFXでの映像表現過多で、役者はほとんどブルーバックの中で演技する事が多いようですが、現在その反動で自然のままで撮影する原点回帰の流れが進んでいると言われています。

確かにマーベルの一連の作品は刺激的なCG映像が売りですが、観終わった後で何も記憶に残らないのが最大の欠点でした。

本作品の凄いところは自然の描写を、人工的なライティングを使わず、自然光のみで表現した点です。
マジックアワーと呼ばれる日の出日の入りの1時間半のみ撮影した事で、空のグラデーション表現に深みが増し、物凄く美しい自然の姿が出ています。
ほとんどの撮影はワンテイクの一発勝負だったらしく、その準備として一日8時間にも及ぶリハーサルの末に撮影したので、役者を含め現場のプレッシャーは凄かったと思います。


また超広角レンズを多用し、パンフォーカスで人物と後の背景のどちらにもピントが合っている独特な映像表現が施されています。
荒涼とした雪の荒野に自分も一緒にいるかの様な錯覚に陥ってしまうのは、新鮮な驚きでした。
ディカプリオの顔から5cmしか離れていない場所にレンズを置いて撮影しているので、吐く息でレンズが曇ってしまうほどです。

そして本作によってアカデミー撮影賞3連覇を成し遂げた撮影監督:エマニュエル・ルベツキによる、前作『バードマン』に引き続いての長回しのカットはよりスケールと難度を上げている感じでした。
その長回しはアメリカ先住民の大規模襲撃シーンや、凶暴な熊にグラスが蹂躙され続ける痛ましいシーンで見られますが、最初の襲撃シーンの迫力は名作『プライベート・ライアン』のノルマンディ上陸作戦の凄惨な戦闘シーンに匹敵する恐ろしいものでした。

主演のディカプリオはアカデミー賞の主演男優賞に過去5回ノミネートされながら、受賞を逸してきた悲劇の男優でしたが、本作でやっと悲願の主演男優賞を獲得しました。
それには納得で、とにかく鬼気たる演技の数々には『タイタニック』でアイドル的な立ち位置を確立したレオ様の姿は一切ありません。


その怪演ぶりの一端を披露すると、熊に襲われるシーンではワイヤに繋がれて地面に叩きつけられ、凍てつく河に流され、零下27度の中で低体温症になり、崖から突き落とされ、挙句の果ては私生活ではベジタリアンなのに、生のレバーや生きた魚を食べされられ、思わず吐いてしまうシーンもあります。
最後の格闘シーンでは鼻の骨を折ってしまったとか・・・・・・
ここまでやらなければ主演男優賞を取れないなんて何と因果な商売なんでしょう。

お話は息子を殺し、自分を荒野に置き去りにしたジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)に対する復讐劇なんで、とても感情移入がしやすかったです。

でも時折挿入されるバイソンの骨のピラミッドと、崩壊寸前の教会のシーンが最初は意味不明でした。
最後まで見ていると、自然やアメリカ先住民から搾取するだけの白人に対する批判の象徴として将来的に絶滅したバイソンの骨があり、どんなに苦しい立場にあっても神は一切助けてくれない、という事を暗示するために崩壊寸前の教会があったと感じています。

しかし復讐を果たした後の、最後のディカプリオのシーンは未だに意味がつかめません。
一見、虚無感に満ちた顔に見えるのですが、妻と息子を殺された彼の未来に明るい希望があるんでしょうか?

評価、映像と演出の点では100点満点なんですが、見る人を選ぶと言う点では万人向きとは言えない作品なので、80点が妥当でしょう。
私的には見応えのある素晴らしい作品だと思いました。





  1. 2016/05/12(木) 22:33:05|
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映画 『エヴェレスト 神々の山嶺』

『エヴェレスト 神々の山嶺』夢枕獏の小説「神々の山嶺」を実写化した映画です。
過去にその小説の文庫本を読んでいて、狼と異名をとった不世出の日本人クライマー森田勝さんを題材にした発想の面白さに魅了されました。

ちなみにこの野武士然とした男性が森田勝さんです。

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今回の映画はその森田勝を題材にした、羽生丈二というアルピニストを、阿部寛が演じると言うことで大いに期待していたんです。

ところが映画が公開された直後から、Yahoo映画のレビューは非難ごうごうで、これは観ない方が良いかな?と思うようになってしまいました。
山仲間のナカシィさんも観てきたそうですが、かなり酷い印象の映画だったようで、逆に私が観た感想を聞きたいとまで言われてしまい、重い腰を上げて観ることにしました。

あらすじ
ネパールの首都カトマンズ。ヒマラヤ山脈が見えるその街で、日本人カメラマンの深町誠(岡田准一)は古めかしいカメラを見つける。それはイギリス人登山家ジョージ・マロリーが、1924年6月8日にエベレスト登頂に初めて成功したか否かが、判断できるかもしれないカメラだった。カメラについて調べを進める深町は、羽生丈二(阿部寛)というアルピニストの存在にたどり着く。他人に配慮しない登山をするために孤高の人物となった彼の壮絶にして崇高な人生に触れるうちに、深町の胸にある思いが生まれる。




まあ、1000頁にも渡る小説を2時間の映画枠に凝縮するのだから、小説のエッセンスのみで終わってしまう映画かな、と思っていたのですが、あまりにも端折り過ぎの内容に唖然としてしまった、と言うのが素直な感想です。

でもエベレストに行くまでは、意外に納得できる展開でした。
(まあ、1960年代とそれ以降の時間軸の変化が画面ではほとんど分からない問題はありますが・・・)
しかし深町の二度目のネパール行きからグダグダな展開になって行きます。

ここからはネタバレありです。




とにかくこの深町っていう人物が余りにも滅茶苦茶な人間で、全く感情移入できないんですよ。
やることなすこと自分の限界を知らなさ過ぎで、栗城以上に無謀にエベレストに登っていこうとします。

羽生の後を追って遭難寸前に陥り、羽生に助けられ、その救助作業による時間の遅延が元で羽生は遭難したのかもしれません。

全く動機が分からない二度目のエベレスト挑戦では、どこから遠征費を工面したのかも理解不能ですし、しかも羽生の元カノの岸涼子(尾野真千子)まで同行します。
何故かノーマルルートを登る深町ですが、天候悪化にも関わらず、停滞しないで登り続けた結果、遭難しかかります。
ほとんど行動不能の状態で岩陰に入ると、そこであたかも蝋人形のように見える羽生の遺骸に遭遇します。
この遺骸は阿部が自演したものだそうですが、凍っているはずが微妙に動いて気味が悪いです。

さらに阿部の遺骸がスターウォーズで霊体になったオビ=ワン・ケノービの様に話しかけてくるではありませんか。
その生きろ!と言う啓示を受けて、深町はゴーグルも帽子もはぎ取って、猛吹雪の中を下山し始めます(オイオイ)。

ベースキャンプで待つ岸は『この山は大切な人の命をいくつ奪うの?』なんて言っていますが、無茶して突っ込む人が悪いだけで、エベレストは単にそこに存在しているだけです。
挙句の果てに深町と岸があたかも恋人であったかのような演出がされていて、帰らぬ深町の身を案じて涙する岸、『生きるんだ!』と叫びながら晴れた緩やかな雪原をふらふらになりながら下山する深町。
この二人、そんな関係だったのですか???????

しかし前段でマロリーのカメラの謎を追うミステリー仕立てにした意味が、最後まで全く回収されないのは何故?
羽生の霊体がそばにあるマロリーの遺体のザックの中に、エベレストを登頂したかどうかが分かるフィルムがある、と言っているのに、深町は『そんな事はどうでもいい。』と言い放ちます。
こんな事なら最初からマロリーに関する逸話は一切省いてくれたほうが潔く、羽生に感化された人間模様だけを深く表現してもらったほうが良かったと思います。


本作品の脚本が駄作と思っている『日本沈没』のリメイク版と同じ方でした。
さもありなんの、同系列の脚本です。



そんな訳で、この映画はお金払って観ると憤慨しそうな雰囲気を醸し出していたため、溜まったシネマポイントでの観賞でした。
それは正解。

まあ空気が地上の1/2しかないエベレストのベースキャンプ周辺で演技された俳優さんの苦労を加味して、
今回の評価は50点です。

エベレストに登ったシーンはほとんどCGなので、NHKあたりの番組で撮影した映像の方が迫力があると思います。
以前番組で放送していたグレートサミッツの山岳映像の方が格段に上ですよ。



  1. 2016/03/17(木) 20:38:09|
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映画 『ザ・ブリザード』

日曜日は咳喘息での体調不良もあり、登山はしないで買い物と映画鑑賞をしてきました。

今回観たのは『ザ・ブリザード』です。

アメリカ沿岸警備隊史上最も困難とされた海難事故、SSペンドルトン号の救出劇を映画化した実話に基づいたお話で、海洋アクションものが好きな私には見逃せない映画と言えます。



あらすじ
真冬の大西洋でブリザードに襲われた巨大タンカーが大破し、船内に32人の乗組員が取り残されてしまう。生存者の救出にバーニー(クリス・パイン)率いる4人の沿岸警備隊員が向かうが、彼らが乗り込んでいるのは定員12人の木製小型救助艇であった。一刻を争う状況で、一行は決死の救助活動に挑む。


Yahoo映画で賛否両論のレビューが飛び交っている映画ですが、私的にはなかなか見応えのある作品と思いました。
海の遭難における救助の話は、日本人には『海猿』のイメージが強く、あの過剰演出を見慣れてくると、静かな終わり方なので物足りなく感じるかもしれません。

しかしこの作品は脚本が素晴らしく、地上、救助艇、タンカー内のドラマを上手く絡ませて話に変化をつけています。
特に恋愛パートはいらないと言う意見も多いようですが、あの勝気な彼女の尻に引かれ、あまり主体性を持っていない性格の主人公が、荒波へ漕ぎ出していく過程の中で、最後に上司の命令に従わず、自らの状況判断で可能性を切り開いていく様には感動しました。

羅針盤をなくして現在地もわからず、一寸先の視界も閉ざされた最悪の状態の中で、最後に頼るのは現場にいる自分の勘しかないでしょうから。

イイ作品でしたが、欠点も幾つか。

はっきり言って3D字幕しか公開していないのは如何なものでしょうか?
この作品に関しては余り3Dの必要性を感じませんでした。
それで入場料400円増しとはボリ過ぎです。

邦題の『ザ・ブリザード』の本来的には暴風雪の意味なので、元題の『THE FINEST HOURS』の方が話の内容に合っていると感じました。因みにその意味は『最も素晴らしい時間』です。
エンドロールを見ていると、この元題の意味が理解できると思います。


今回の評価は、3Dしか公開していない配給側の思惑が見え隠れしているので70点です。

  1. 2016/03/08(火) 18:00:00|
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映画 『X-ミッション』

土曜日に映画『X-ミッション』を観てきました。
エクストリームスポーツの度胆を抜かれる予告編を見て、これは絶対に観なきゃいけない、と思っていた作品です。

実は予告編以外に全く予備知識を得ないで観たのですが、その内容が1991年にキャスリン・ビグロー監督で制作された「ハートブルー」にそっくりで、何か釈然としないものを最後まで感じてしまいました。
でも帰宅後に本作品がその「ハートブルー」を原案にしたという事が判明し、心のもやもやが霧消しました。
何てたって、原題(Point Break)も、ユタやボーディなどの役名も、FBI捜査官と犯罪集団のリーダーという関係性も、サーフィンをきっかけに接触するシナリオもまったく同じで、デジャヴ感覚が半端じゃなかったのですよ(苦笑)



あらすじ
以前アスリートだったFBI捜査官ジョニー・ユタ(ルーク・ブレイシー)は、エクストリームスポーツのカリスマ、ボーディ(エドガー・ラミレス)が中心となっているアスリート犯罪集団への潜入捜査を開始する。彼らには、卓越した能力を使って、犯罪行為を繰り返している疑いが掛かっていた。しかし、ユタは彼らと危険な行動を共にするうち、ボーディに対し信頼と友情を抱くようになり……。


観た感想ですが、一言で言うと素晴らしいアクション映画でした。
サーフィンやスノーボード界などの有名アスリートがスタントとして出演し、CGをほとんど使用しない生身のアクションが展開される映画は昨今のハリウッド映画では稀な存在です。
エンドロールの撮影ユニットの多さには呆れました。
多くのスタッフの苦労の末に超ド級のアクション映画が完成したことをエンドロールは現しています。

でも本作品の欠点はシナリオにあります。
精神と肉体をネクストレベルへ到達させようとし、極限の8つの課題に挑戦するボーディが、それを提唱したオザキの思想を曲解して、人間の自然破壊に対して犯罪的な行為を行う理由が自分には全く理解できなかったのです。

これだけ凄い超人的なエクストリームスポーツの世界を見せてくれるのなら、何もFBI捜査官と犯罪集団のリーダーと言う構図を作らなくても良かった感じがしました。
この点、「ハートブルー」に拘らず独自の解釈でエクストリームスポーツの神髄を見せてくれたら、アクション映画の金字塔的な作品になっていたと思います。

しかし上記の点を考慮に入れても、これほどの凄いアクション映像はなかなか見られるものではありません。
特にウィングスーツの滑空シーンと、エンジェルフォールのフリークライミングシーンは大迫力でした。
その特別映像があるので下に貼っておきます。





とにかく映画館のでかいスクリーンで観なければ、そのド迫力アクションは味わえないと断言します。

多少ストーリー展開に無理がある点を考慮しても、観る価値は充分の映画でしたので、
今回の評価は80点です。



  1. 2016/02/23(火) 18:00:00|
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映画 『オデッセイ』

巨匠リドリー・スコット監督がメガホンをとった最新作『オデッセイ』を観てきました。

『ボーン』シリーズなどで人気を博したマット・デイモンが火星に取り残された宇宙飛行士を演じるSFアドベンチャーです。



あらすじ
火星での有人探査中に嵐に巻き込まれた宇宙飛行士のマーク・ワトニー(マット・デイモン)。乗組員はワトニーが死亡したと思い、火星を去るが、彼は生きていた。空気も水も通信手段もなく、わずかな食料しかない危機的状況で、ワトニーは生き延びようとする。一方、NASAは世界中から科学者を結集し救出を企て、仲間たちもまた大胆な救出ミッションを敢行しようとしていた。


この作品、一言で感想を述べると傑作です。
個人的にはロン・ハワード監督の名作『アポロ13』に匹敵する感動作と思いました。

内容的には無人島でサバイバル生活を行う『キャスト・アウェイ』と『インターステラー』、に『ゼロ・グラビティ』風味を付けたような感じですが、主人公には切羽詰まった悲壮感がありません。
とにかくポジティブに物を考えて生き抜いて行こうします。

実はこの作品、アカデミー賞の前哨戦と言われるゴールデン・グローブ賞のコメディ/ミュージカル部門に分類され、作品賞&男優賞の受賞を果たしたのですが、シリアスな題材なのに、???何故コメディ部門と観る前は感じていました。
でも実際に観賞してみると、思わず笑いがこみ上げる愉快なエピソードが満載で、それぞれの場面に70年代のディスコ音楽が上手くシンクロしていくのですよ。
この70年代ディスコヒット曲集は宇宙船の船長が地球から持ってきたCDで、それを心の支えに明るく振る舞えたのですね。
あまり映画の中で流れている曲を意識したことは今までなかったのですが、この絶妙の選曲センスにはうなってしまいました。

例えば生き抜くぞ、と主人公が思ったシーンでグロリア・ゲイナー『恋のサバイバル』
NASAが彼を助けようとして作戦をみんなで立てるところでかかる曲が何とデビッド・ボウイ『スターマン』です。
他の曲もリアルタイムで聴いていた曲で、歌詞の内容がある程度分かっていたので楽しさ倍増でした。

映像もハリウッドとNASAの全面的なコラボレーションの結果、火星をリアルに再現し、宇宙空間や無重力描写も素晴らしく、救助作戦に奮闘するNASAの描写も現実的で、SF映画として納得できる内容でした。
あまりにも科学的な知識や考証を求められた『インターステラー』より、万人に敷居の低い分かりやすいSF映画だと思います。

爽やかな後味の後日談も考えて作られていて、まだ2月ですが私にとって今年一番の映画になりそうな感じがしました。

今回の評価は95点です。

  1. 2016/02/10(水) 18:32:18|
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映画 『ザ・ウォーク』

最近、自宅DVD観賞を含めて映画を観ていまして、今日も映画ネタの記事です。

観たのはロバート・ゼメキス監督の最新作『ザ・ウォーク』です。
タイトルだけ見ると何の映画なのか全く想像もできませんが、内容は1974年にワールド・トレード・センターにおいて命綱なしで綱渡りに挑戦した、フィリップ・プティの著書を実写化した実録ドラマなんです。

先ずは予告編を見てください。
映画館でこの予告編を見てしまい、これは外せない映画だと思ってしまいましたよ(笑)


あらすじ
1974年。フランス人の大道芸人フィリップ・プティ(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、誰も考えついたことのない挑戦をすることに。それはニューヨークのマンハッタンにそびえ立つ2棟構造の高層ビル、ワールド・トレード・センターの屋上と屋上の間にワイヤーロープを張って命綱なしで渡っていくというものだった。そして、ついに決行の日を迎えるフィリップ。地上110階の高さに浮いているワイヤーを、一歩、また一歩と進んでいく彼だったが……。


綱渡りの事をワイヤー・ウォークと言うそうですので、それがタイトルになったようですが、この映画単に高さ411メートルのツインタワー(ワールド・トレード・センタービル)の間にワイヤーをかけて綱渡りをするだけではなく、ちゃんと友情や愛などの人間模様も織り込んでいて、とてもしっかりとした作りになっています。

主人公のプティがサーカス団と出会った幼き日から、オスカー俳優のベン・キングズレー演じる師匠との出会い、そして両方のビルの間にワイヤーを架けるまでのスパイ映画さながらの展開、そして芸術的な犯罪と称された“祭”の後の姿までを描いていて、観終わった後の爽やかさが心に染みる佳作でした。

ちなみにフィリップ・プティのドキュメンタリー映画『Man On Wire』がこの映画の元ネタのようですので、その予告編をご覧ください。
フィリップ・プティが顔出ししています。



このプティになりきったのが、役に対する作り込みが半端じゃないジョセフ・ゴードン=レビットです。
個人的にこの俳優の映画が大好きで、今回も生粋のアメリカ人なのに、フランス訛りの映画をしゃべりまくり、綱渡りに関してはフィリップ・プティから猛特訓されて、かなりな部分を自分で演じていたらしいです。
実際は3.6m程度の高さにワイヤーを張って撮影したそうですが、その高さでも怖いですよね。

でも最後の30分に渡る地上411mの綱渡りシーンはこの映画の白眉でした。
3Dで観賞したのですが、これほどまでに高度感を感じた映像は初めてでした。
ワイヤーを張るシーンから正に手に汗にぎりっぱなしで、緊張して観ていたので、終わった後は脱力感を感じたほどです。

しかし、911にてこの世から消え去ったワールド・トレード・センターの姿を、また映画で再現して見られるとは思ってもいませんでした。当時はこの二棟が抜きんでて高いビルだったのですね。
70年代の音楽やファッション、車もふんだんに表現されていて、当時の風が再び吹いている感じがしました。

いろいろノスタルジーに浸った点も含めて、今回の評価は90点です。
これは映画館で3Dで観賞することをお勧めします。

  1. 2016/01/29(金) 21:17:56|
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映画 『白鯨との闘い』

映画館でかなり前から予告編を流していて、これは外せない映画と思っていた『白鯨との闘い』を観てきました。



この作品、ハーマン・メルヴィルの「白鯨」をリメイクしたものとばかり思っていたのですが、白鯨との死闘は悲惨なお話のごく一部にすぎず、もっと人間の尊厳にもかかわる奥深い話だと分かりました。

「白鯨」はメルヴィルが書いたフィクションであり、その話の裏があるとは今回初めて知りました。
元ネタはナサニエル・フィルブリックのノンフィクション「復讐する海 捕鯨船エセックス号の悲劇」だそうで、実際の作品の内容は海洋サバイバルアドベンチャーです。

あらすじ
1819年、エセックス号のクルーたちは鯨油を入手するためにアメリカ・マサチューセッツ州のナンタケット島を出港する。一等航海士オーウェン・チェイス(クリス・ヘムズワース)をはじめとする乗員たちは、太平洋沖4,800キロメートルの海域で白い化け物のようなマッコウクジラと遭遇。彼らは強大な敵を相手に必死で抵抗するものの船を沈没させられ……。


監督のロン・ハワードは最近、実話に基づいた作品を手掛けるようになった感じがしますが、前作『ラッシュ/プライドと友情 』はF1レーサーのニキ・ラウダとジェームス・ハントが壮絶なタイトル争いを繰り広げたドラマを映画化した佳作で、今回も無鉄砲で自信家の一等航海士チェイスと、経験値は浅いが名家の出だからと船長の座を獲得したポラードのライバル関係が物語をけん引するようで、とても期待していた作品でした。

でもこの作品はアメリカではあまり当たらなかったようです。
完全に『スターウォーズ』に話題をさらわれた感じがしますが、話の内容がとても重いので一般受けしなかったのでしょうね。
でも海洋スペクタクルな映画は大好きですし、人間ドラマが濃厚に出ていたので、今回もなかなかの佳作だと思いました。

しかし日本版のタイトル『白鯨との闘い』は配給会社の完全な失敗です。それは内容のごく一部に過ぎないんですから・・・
原題は『IN THE HEART OF THE SEA』。海の真ん中で、とか海の中心で、なんていう意味ですが、陸から数千キロも離れた大海のただ中で船が沈没した状況に自分が置かれたら、と考えただけでも絶望的になります。

今回の評価は80点。自分はロン・ハワード監督の作品と感性があっているように感じます。



  1. 2016/01/27(水) 23:14:35|
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映画 『アンナプルナ南壁 7,400mの男たち 』

昨日の記事に引き続き、DVDで観賞した『アンナプルナ南壁 7,400mの男たち』の感想です。

この作品は世界的にも登頂が困難を極め、登山者の4割近くが亡くなるという難易度の極めて高い、ヒマラヤ山脈のアンナプルナ南壁における救出活動を描いた山岳ドキュメンタリーです。

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作品名だけ見て上質な山岳映画と勝手に思い込んでしまったのですが、2008年5月、尾根を横断中に高山病に倒れたスペイン人登山家のイナキ・オチョア・デ・オルツァを救うため、急遽同地へ向かった世界10ヶ国12人の登山家を訪ね、当時の貴重な映像を交えながら世紀の救出劇を振り返る内容で、当時の緊迫した実際の救助活動の映像を見せるものではなく、主に関係者や救出に向かった登山家達のインタビューが延々続く内容でした。



ここでも史実なのでネタバレしますが、結果的に高山病に倒れて7400mのテントから動けなくなったイナキ・オチョアは、仲間の救助も空しく亡くなってしまいます。
助かると思って期待しながら見ていたのですが、この作品も見終わった後の空虚感が半端じゃありませんでした。


それにイナキ・オチョアを含めて、救助に向かった登山家達が山の世界でいかに評価されているのか全く分かっていなかったため、その行動の凄さが伝わってこなかったです。
この作品に関しては、事前に各々の人物像を把握して観たほうが、よりドキュメンタリーの迫真に迫れると感じました。

何せイナキ・オチョアが無酸素で8,000m峰全14座のうち12座に登頂し、2008年までに、ヒマラヤ山脈の山の登頂に30回、8,000m級の山の登頂に15回挑戦し、8,000m級の24時間登頂を成功させたこともある超人的な登山家とは観賞した後で知る事となりました。
そして自らの登山計画を断念してまで救助活動に参加し、イナキ・オチョアの最後をテントの中で付き添ったスイスの登山家ウーリー・ステックはアルプス三大北壁の最速登頂記録を持ち、卓越した登攀技術と常人離れした高所耐性から、「スイスマシーン」の異名をとっている超人とは思いもよらなかったです。

ウーリー・ステックが2008年にアイガー北壁ソロ 最速登頂記録・2時間47分33秒を記録した映像があります。



内容のほとんどが救助活動に参加した登山家のインタビューで綴られていますが、世界的登山家が語る、何故山に登るのか、友情とは、など哲学的な珠玉の言葉が胸を打ちます。
一番友への友情を感じた言葉は『俺たちは違う国から来た、だけど山という一つの国の住人なのさ。』でした。

この作品の評価は何も映画館の大きなスクリーンで観る価値が薄いと思ったため、50点です。
登山が趣味じゃない人が観たら間違いなく居眠りしてしまうでしょうね(笑)


  1. 2016/01/21(木) 17:59:39|
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映画 『K2 ~初登頂の真実~』

映画館ではなくレンタルDVDで観賞した『K2 ~初登頂の真実~』のレビューです。

内容はエベレストよりも登頂が難しく、非情の山と恐れられているカラコルムの高峰K2初登頂の陰に隠された真実に迫る山岳ドラマです。
この世界第2位の高峰は1954年に2人のイタリア人登山家が歴史的偉業を成し遂げるも、その後50年以上も初登頂をめぐりクライマーたちの名誉を懸けた訴訟が繰り広げられました。
その実話を基に、イタリア隊によるK2制覇の全容を、『ラ・ボエーム』などのロバート・ドーンヘルム監督が山岳ロケを駆使して描き出しています。
イタリアの若手実力派俳優マルコ・ボッチらが出演となっていますが、最近イタリア映画は観ていないので、よく分んない方です。


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あらすじ
1954年イタリア、世界でも2番目の標高である高峰K2への初登頂を目指しイタリアの大学教授で富豪のアルディト・デジオ隊長率いる最強のアルピニストチームが結成される。
体力と精神力が常人よりも強いボナッティ(マルコ・ボッチ)はチームで一番年下ながら仲間を支え困難を乗り越えていくが、登頂アタックのクライマーにコンパニョーニ(マッシモ・ポッジョ)が選ばれる。しかし、ボナッティに初登頂の栄誉を奪われることを恐れたコンパニョーニは、妨害しようと考え……。




K2(ケーツー)は、カラコルム山脈にある山で、標高は8,611m、エベレストに次ぐ世界第2位の高さがあります。パキスタンのギルギット・バルティスタン州と、中華人民共和国のウイグル自治区との国境に位置すしますが、中国側(北側)からアプローチするのは困難なため、ほとんどの登山者はパキスタン側のバルトロ氷河からアプローチします。
登頂の難しさでは世界最高峰のエベレスト(標高8848m)よりも上で、世界一登ることが難しい山とも言われており、その理由として、人が住む集落から離れていることによるアプローチの困難さ、エベレストよりも厳しい気候条件、急峻な山容による雪崩、滑落の危険性などが挙げられます。
遭難者の数も多く、2012年3月までの時点で登頂者数306人に対し、死亡者数は81人に達し(その時点でのエベレスト登頂者数は5656人)。チャールズ・ハウストン、ロバート・ベイツ共著の書籍のタイトルから「非情の山」とも呼ばれています。

本作品はK2の初登頂の栄光の影に隠れた、人間のエゴの醜さを表現したもので、観終わった後の後味の悪さったらハリウッド映画では考えられない程の作品でした。

全部史実に基づく内容なので、ネタバレしますが、その詳細はこんな感じです。【「ウッキペディア」より抜粋 】 

遠征の最終段階になり、第8キャンプにいる隊員達でさらにもう一つ上部に第9キャンプを作る必要があった。
隊員のリーノ・ラチェデッリの体調は良かったが、登攀リーダーのアキッレ・コンパニョーニは消耗が激しかった。
コンパニョーニは「自分は翌日の最終キャンプの設営に加わるが、その後なお不調なら、アタック隊員としてボナッティに交代してもらう」と切り出し、ボナッティは酸素ボンベを荷上げするために下のキャンプへ下降することとなった。
ボナッティは下から登ってきたフンザ人ポーターと合流して再び最終キャンプ目指して登り返すが、コンパニョーニとラチェデッリは体調の良いボナッティに自分達の立場が脅かされることを恐れて、約束より高い場所にキャンプを設営していた。
ボナッティとポーターは最終キャンプを発見できず、8100メートルの高度で露天ビバークを強いられる。
声の届く距離にいた登頂隊の2人は夜になって呼びかけに反応し、「そこにをボンベを置いて下山しろ」という。
ボナッティは彼らが迎えにくることを望んだが、それ以後いっさい応答はなくなった。ボナッティとポーターは強風に耐え、翌朝にボンベを残して下山。
登頂隊の2人は酸素ボンベを回収し、K2初登頂に成功する。ポーターは重度の凍傷を負い、手足の指の切断を余儀なくされた。
                             
これだけでも仲間の命の危険性を軽んじる酷い行為なのに、この話は後日談があります。

帰国後、コンパニョーニは遠征報告書に「酸素ボンベの気圧が低く、頂上に着く前に酸素ボンベが切れた。抜け駆けして頂上を目指していたボナッティが酸素ボンベを吸ったからだ」と書き、自分の正当性を主張して、それがイタリア山岳会の公式見解となっていた。
しかし第9キャンプへ登るときにボナッティは酸素マスクや混合弁を持っておらず、ボンベを使うことは不可能だったのである。

後に、ボナッティは名誉回復のため裁判をおこし、そして50年後の2004年、もう一人の《初登頂成功者》であるラチェデッリが、沈黙を破って、著書でボナッティの訴えを認めたため、イタリア山岳会も2007年にボナッティの説明が正しいことを認めた。

遠征登山とは登頂と言う一つの目標のために、登頂者以外は縁の下の力持ちの役に徹する非常さがありますが、一緒に生死を共に仲間をこれほどまで貶めた罪は初登頂の栄誉を辱める行為に他ならないと感じました。

それにもう一点、登攀シーンがヨーロッパアルプス辺りで撮影されたとバレバレで、K2の険しさがイマイチ伝わらなかったです。

その事もマイナスポイントで、この作品の評価は後味の悪さも含めて55点でした。


  1. 2016/01/20(水) 18:00:44|
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映画 『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』

1977年に公開された『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』をリアルタイムで観たときの感激と昂揚感を今でも忘れることはありません。

個人的に宇宙のSFものが大好きですが、その後、『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』、『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』を観るにつけ、壮大なるスペースオペラの世界に引きずり込まれていった自分がいました。

その後、、アナキン・スカイウォーカーを主人公とする新3部作で、アナキンがダークサイドに堕ちてしまい。ダース・ベイダーと銀河帝国の誕生の秘密が明かされますが、この6作品がアナキン・スカイウォーカーの生涯を綴った物語であることが分かります。

以上の6作品をもって監督:ジョージ・ルーカスはスターウォーズの物語を終焉させると明言しましたが、ルーカスの頭には後日潭の3作品を制作する構想もあったと言われています。
しかし彼も歳とって、そこまで作品を作り上げるモチベーションがなくなったのでしょうか。
『新作を作る度にスターウォーズフリークから批判されるので嫌になった。』と言う発言もあり、ルーカスフィルムも含めた『スターウォーズ』の全ての権利をディズニーに売却してしまいます。

そして今回、新たな3部作として『スター・トレック』シリーズなどのJ・J・エイブラムスが監督を務めたのが『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』でした。
昔からのスターウォーズファンとしては見逃すことは不可能で、期待して本作品を観に行ったのです。



あらすじ
遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。
第2デス・スターが破壊されたエンドアの戦いから約30年後。最後のジェダイであったルーク・スカイウォーカーが姿を消して以降、銀河帝国の残党により「ファースト・オーダー」と呼ばれるグループが結成され、再び銀河に脅威をもたらしていた。ルークの双子の妹、レイア・オーガナ将軍は独自の軍事組織「レジスタンス」を結成し、新共和国の支援の下、ファースト・オーダーに立ち向かうためにルークを探していた。
ルークの所在が記載されている地図を手に入れたレジスタンスのポー・ダメロンは砂漠の惑星「ジャクー」でファースト・オーダーに捕まるが、その直前にその地図を自分のドロイドであるBB-8に託す。その後BB-8は、ジャクーで孤独な少女レイに出会い行動を共にする。
一方、ポーの捕獲作戦でジャクーにおけるファースト・オーダーの殺戮に参加していたストーム・トルーパーの1人フィンは、あまりの残虐さにファースト・オーダーの存在に疑問を持ち、ポーと共にファースト・オーダーのファイナライザー(スター・デストロイヤー)からTIEファイターで脱走するがジャクーへ不時着しポーとはぐれてしまう、その後砂漠のオアシスでレイとBB-8に出会う。
その後すぐに、BB-8を捕らえようとするファースト・オーダーの追手に襲われたレイとフィンは、たまたま近くにあった宇宙船でジャクーを脱出する。その船こそ、盗まれたためハン・ソロの手から離れていたミレニアム・ファルコンだった。



今回の新作で何が嬉しいたって、旧作品で活躍したハン・ソロ = ハリソン・フォード、ルーク・スカイウォーカー = マーク・ハミル、レイア・オーガナ将軍 = キャリー・フィッシャーの面々が30年の時を経てスクリーンに登場した事でした。
まるで懐かしい仲間と同窓会を一緒にしている感じがして、登場シーンには胸が高鳴ってしまいましたよ。
でも映画だけではなくリアルタイムで経過した30年の年月。
皆さん歳とってしまったなぁ~と言うのが偽らざる感想です。


この点だけでも観た甲斐はあったのですが、ストーリーについては完全にエピソードⅣの焼き直しと言うか、流れがほとんど一緒で少し?マークを付けざるを得ませんでした。
もう少し兵器などの新しいガジェットを盛り込めば良かったのですが、敵味方とも30年前の兵器と全く変わっていなかったのはSFファンとしては物足りません。

それに一番の欠点は悪役の魅力のなさが半端じゃない点です。
前作品群に登場したシス卿ダーク・シディアスやダース・ベイターは恐ろしいくらいの迫力があったのですが、今回の悪役陣はそれが希薄なのが本作品の一番の失敗だと感じました。
ダークサイドに落ちたカイロ・レンが未だに正義と悪の狭間で悩む葛藤なんて必要ないんです。
エピソードⅢでアナキン役のヘイデン・クリステンセンがダークサイドに落ちた瞬間、目つきまで変わり、非道で情け容赦ない悪役に転じた演出は見事でしたが、カイロ・レンのような癇癪持ちで部下にも敬遠させるシーンを観ると、監督はダークサイドの意味を取り違えている感じがします。
それに弱すぎ・・・

また、アンディ・サーキス演じるファースト・オーダー最高指導者スノーク が余りにも漫画的過ぎて駄目です。
ここは冷酷な面構えの生身の人間を出さないと。
思わずこの作品は『ロード・オブ・ザ・リング』かとのけ反ってしまいましたよ(苦笑)

まあ、これ以上詳しく書き過ぎるとネタバレになるので、これで止めておきますが、作品全体としては以前のスターウォーズの世界観を継承していて、違和感なくストーリーに入り込めました。
あまりVFX(ビジュアル・エフェクツ)やCGに頼らない、実写のイメージを大切にした点では、旧三部作的な感じで好感が持てました。

余談ですが、新キャラのドロイド:BB-8は可愛かったです。
2年後の公開される次回作では、お馴染みのC-3POやR2-D2との愉快な絡みが出てきそうで楽しみですよ。

今回の評価は、もう無いと思っていたスターウォーズをまた観られた事への感謝も込めて80点
次回作で『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』の焼き直しのような話にならない事を期待しましょう。

  1. 2015/12/22(火) 18:18:05|
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映画 『007 スペクター』

日曜日は朝8時半に起き、かなり寝坊してしまいました。
近郊の低山を登る予定でしたが、泉ヶ岳には雲がかかって、空はどんより曇っています。

何か山に行くモチベーションが無くなってしまったので、のんびり新聞を読んでいると、映画欄に『007 スペクター』が先行上映されているのを見つけてしまいました。

スターウォーズが上映されると映画館が激混みの可能性が高いですし、待ち焦がれていた映画でしたので、これは行かねば後悔すると思い、午後の部を観に行きました。

6代目ジェームス・ボンド役のダニエル・クレイグは今作で4本目の出演です。
ファッショナブルな従来の路線からシリアス路線に変わって、新たなジェームス・ボンド像を作り上げた彼の功績は素晴らしく、然作品とも大好きな映画でした。
今回はショーン・コネリーボンドの時に、強大な敵役として君臨していたスペクターが終に登場することで大いに期待していました。

今作品も前作同様サム・メンデス監督がメガホンを取ります。前作の『スカイフォール』の続きの話なので、前作を観ていない人は話の内容についていけないかもしれません。
気になるボンドガールはイタリアの至宝と呼ばれるモニカ・ベルッチと、フランスを代表する演技派のレア・セドゥが熱演します。
そして前作より更に明らかになる彼の幼少期の秘密が物語のキーとなっているようです。



あらすじ
ボンド(ダニエル・クレイグ)は、少年時代の思い出が詰まった生家“スカイフォール”で焼け残った写真を受け取る。彼はM(レイフ・ファインズ)が止めるのも無視して、その写真の謎を解き明かすため単身メキシコとローマを訪れる。死んだ犯罪者の妻ルチア(モニカ・ベルッチ)と滞在先で巡り合ったボンドは、悪の組織スペクターの存在を確信する。


感想

ダニエル・クレイグ版のボンドは今回の『スペクター』の後、もう一作出演する契約だったようですが、怪我続きや結婚した女優のレイチェル・ワイズとの結びつきをより深くしたいために、今作品でボンド役を降板したい意向を持っているらしいです。
聞くところによると007のギャラは75億円ですが、収録期間が8ヶ月もあり、そこまで拘束されるのは肉体的にも厳しい歳になっていたようです。

この情報は映画を鑑賞した後情報なんですが、映画のラストシーンは完全に完結していて、ダニエルが降板するのは確実のようにも思えました。


そんな事はさておき、映画の感想ですが、過去3作の内省的な暗い内容から少し脱却して、従来路線のボンド像を出してきた感じです。
オープニングのメキシコのシークエンスのアクションは、凄い迫力で、長回しシーンから目が離せなくなります。
その後のアクションシーンも、『ミッションインポッシブル』ほどではないですが、CGをあまり使っていないので、真実味溢れる内容となっています。

そして明らかに『ロシアより愛をこめて』や『女王陛下の007』などの過去作品のオマージュシーンが出てきて、思わずニャッとさせられました。

でもスペクターの敵役であるブロフェルドがボンドを執拗に狙う動機がいけません。
これを言っていまうとネタバレになるので控えますが、ダニエル・クレイグ版過去3作の全ての事件が集約される脚本は何とかならなかったのでしょうかね。
折角、演技派のクリストフ・ヴァルツを敵役で使っているのだから、もっと重厚な悪役像を構築して欲しかったです。

しかし今回はM:レイフ・ファインズやQ:ベン・ウィショー、そしてマネーペニー:ナオミ・ハリスなどの脇役の活躍シーンもあって、昔からのファンにとってはとても楽しめた映画でした。

今回の評価は85点。
ダニエル・クレイグ版ボンドの最終章?として全4作品を楽しませてくれた事に敬意を称します。




  1. 2015/12/01(火) 00:10:00|
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映画 『エベレスト 3D』

映画 『エベレスト 3D』をマスさんと観に行ってきました。

原題は『EVEREST』ですが、どうも3D映像が売りの映画みたいなので、あえて字幕版の3D映像を選びました。

映画の内容は実話を元にしています。
エベレストで1996年に起きた8名が帰らぬ人となった大量遭難事故を、バルタザール・コルマウクル監督が映画化しています。
キャストには近年大作映画に出演が多いジェイソン・クラークをはじめ、ジョシュ・ブローリン、キーラ・ナイトレイ、サム・ワーシントン、ジェイク・ギレンホールら実力派が集結しました。

実話なのでネットで検索すると内容がほぼ分かってしまいますが、簡単にあらすじを述べます。
エベレスト登頂を目指しロブ・ホールが主宰するAC社が企画した公募登山に参加したベテラン登山家たち。
ガイド料金は65000ドル(日本円で約700万円)。
個人での参加でエベレストの山頂に立てる夢を抱いてベースキャンプを後にしたが、その後は参加者の体調不良や、フィックスロープ設置の不備などのトラブルが重なり下山が大幅に遅れる。
さらに天候が急激に悪化し猛烈なブリザードに襲われ、命の危険性が劇的に高い標高8000m以上のデスゾーンで離れ離れになってしまう。酸素の欠乏などの極限状況に追い込まれた一行は……。






ほぼ内容が分かっていた映画なので、最後はハッピーエンドではなく、悲しい結末になってしまいますが、ヒマラヤの過酷な自然環境と高所登山の苦しさをとことん追求した映像になっていたと思います。
特に3D映像のマッチングは素晴らしく、すさまじい高度感や山の高さ、巨大なクレバスの底知れぬ深さ、襲い来る猛烈なブリザードなど、自分が追体験できるほどの迫力に満ちていました。

しかし引き返すタイムリミットを隊長自ら守らなかった結果の悲劇は、ガイド料金を支払っている顧客との関係性を良く表していますし、同様の悲劇がトムラウシの遭難でも現出してしまったことを考えると、とても居たたまれない気持ちになってしまうのです。

何れにしても登山を趣味にしている方にとって必見の映画と言えるでしょう。

評価は撮影の苦労も考慮して80点です。
20点のマイナスは後半に突然出て来たサム・ワーシントンの立ち位置が分からずに面食らってしまった事です。

  1. 2015/11/09(月) 19:00:00|
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土岐麻子ライブ

20日・火曜日の夜、仙台retro Back Pageにて開催された
土岐麻子LIVE TOUR 2015 "Bittersweet"を見に行ってきました。

ご一緒したのはmorinoさん、Taku-oさん、Taku-oさんの奥さん、そしてマスさんとです。

2015102201.jpg

このライブは今年発売されたアルバム”Bittersweet”を記念して全国を回るものです。

メンバーは渡辺シュンスケ率いるSchroeder-Headzの面々にプラスして、KIRINJIのギタリス弓木英梨乃が加わったカルテッド編成です。

ほぼアルバム全曲を披露してくれ、他にも懐かしい曲も散りばめた楽しいライブでした。
何より、客席との距離感が半端じゃなく近く、私の座った席かた土岐麻子さんまで4m程度しか離れていませんでした。
そしてタイトでドライブ感溢れるメンバーの演奏に酔いしれたひと時でした。

弓木さんがいませんが、こんな感じのライブでしたよ。


でも一番驚いたのが可愛らしい顔に似合わずアグレッシブなギター演奏を披露してくれた弓木さんです。
ライブの後で皆で食事をしましたが、その話題で持ち切りでした。





  1. 2015/10/23(金) 00:04:04|
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映画 『キングスマン』

英国王のスピーチ』などのオスカー俳優コリン・ファースを主演に迎え、『キック・アス』などのマシュー・ヴォーン監督がメガホンを取って放つ痛快スパイアクション『キングスマン』を観てきました。

仕立ての良いスーツを着こなす紳士が、実は凄腕のエージェントだったという設定と、切れの良いアクションを見せる予告編に魅かれて観ましたが、その評価は???



あらすじ
ロンドンにある高級スーツ店「キングスマン」は、実はいかなる国の干渉も受けない屈指のエリートスパイ集団だった。ブリティッシュスーツを小粋に着こなす紳士ハリー(コリン・ファース)もその一人で、日々極秘任務の遂行に務めていた。そんなある日、仲間が何者かに暗殺され、彼は街で不良少年エグジー(タロン・エガートン)をスカウトする。


先週、豪雨被害の翌日に観たので公開初日だったと思います。
ヤフー映画のレビューでは洋画としてはかなり評価の高い映画で、世界中でヒットしているそうです。

前半は英国紳士そのものを体現したコリン・ファースがまさかの鋭いアクションを披露しているのでびっくり。
下町のパブでごろつきをあっという間に叩きのめすシーンには痺れてしまいました。
映画『96時間』で、実力俳優のリーアム・ニーソンがアクション俳優の一面を見せてくれた衝撃に匹敵します。

話の内容をこのまま大きく広げてくれれば私の中では歴代最高のスパイアクションになっていたのでしょうが、コリン・ファースが教会に集う敬虔なクリスチャンに対して傍若無人の大量虐殺を行うシーンを観てうんざりしてしまいました。
その原因はIT富豪役のサミュエル・L・ジャクソンがもくろむ荒唐無稽なテロ計画の実験として教会に集う方々が選ばれたのが虐殺シーンの後で分かりますが、その内容を知らないで延々続く殺人シーンを見せられたらたまりません。


コリン・ファースが意外な展開で退場してからは、何やらキックアスやスパイキッズ的な荒唐無稽の話にシフトしてしまいます。
キックアスの場合はヒット・ガール(クロエ・グレース・モレッツ)の可憐な美少女ぶりと、キレキレのアクションの意外性が素晴らしかったですが、それに代わるエグジー(タロン・エガートン)に役者としての華がないので説得力がありません。
あれだけの優れた格闘術がどんな訓練で養われたのかも、そんなシーンが一切ないので片手落ちの脚本です。

そして最後のスウェーデン王女とのおまけシーンのえげつなさには呆れるばかり。
007のオマージュと言ったって、ショーン・コネリーのような紳士然としたふるまいと色気がないので、ガキの悪乗りにしか過ぎないと思ってしまいます。

レビューの評価とはかけ離れた私の感想ですが、今回の評価は前半80点、後半40点で平均60点です。

興行的に大当たりしたらしいので続編制作が決定済らしいですが、私は観に行かないと思います。


  1. 2015/09/19(土) 13:52:31|
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映画 『日本のいちばん長い日』

最近、BSで1967年制作、岡本喜八監督作品の『日本のいちばん長い日』を放送していました。
日本映画の中でも10本の指に入るほど優れた作品で、今まで3~4回は観ていると思います。
1945年8月14日から15日までの24時間をドキュメンタリー風に克明に記録していて、終戦に至る厳しい局面がつぶさに現れていました。
特に三船敏郎が演じた阿南陸軍大臣の迫力は彼にしか表現できない迫真の演技だったと思います。

さて、今回映画館で観たのは戦後70年を記念して制作された『クライマーズ・ハイ』『わが母の記』などの原田眞人監督によるリメイク作品です。

半藤一利のノンフィクションを基にした群像歴史ドラマ大作で、鈴木貫太郎内閣の誕生する1945年4月の時点に遡り、太平洋戦争での日本の降伏決定から、それを国民に伝えた玉音放送が敢行されるまでの裏側を見つめています。



実はこの作品は私の身内にもいろいろ関わりがあるお話で、公開されたら観に行かねばならないと思っていました。
内閣総理大臣の鈴木貫太郎と私の曽祖父はとても仲が良かったらしく、叔母からその話はいろいろ伺っていました。
また、8月14日の深夜に、陸軍士官であった私の父は、戦争継続のために上官から非常呼集されたと聞きました。

あらすじ
1945年7月。太平洋戦争での戦況が悪化する日本に対して、連合軍はポツダム宣言の受託を迫る。連日にわたって、降伏するか本土決戦に突き進むかを議論する閣議が開かれるが結論を一本化できずにいた。やがて広島、長崎に原爆が投下され、日本を取り巻く状況はさらに悪くなっていく。全国民一斉玉砕という案も取り沙汰される中、内閣総理大臣の鈴木貫太郎(山崎努)や阿南惟幾陸軍大臣(役所広司)は決断に悩み、天皇陛下(本木雅弘)は国民を案じていた。そのころ、畑中健二少佐(松坂桃李)ら若手将校たちは終戦に反対するクーデターを画策していた。


今回のリメイク版は、終戦の1日に起きた切迫した状況を表現する点では物足りません。
陸軍下士官が宮城を占拠した宮城事件が軽く扱われているのです。

しかし、原田監督は、岡本喜八監督、橋本忍さん脚本の1967年版「日本でいちばん長い日」では登場しなかった昭和天皇をあえて登場させた点でご聖断による終戦の意味づけがより浮き彫りにされています。
岡本喜八監督版では昭和天皇はロングショットやバックショットを多用して、昭和天皇を真正面から捉えた作品は日本映画の中では存在しませんでした。

原田監督は『「立憲君主制の中で自由もなく、まさに『耐えがたきを耐え』てきた昭和天皇が、ここで止めないと日本という国がなくなるという思いで聖断を下すさま、苦悩を含めた“人間”としての昭和天皇・裕仁を描きたかった」』と述べていますが、その狙いは素晴らしく、それを演じた本木雅弘の寡黙で静かな熱演には目頭が熱くなってしまいました。

そして玉音が放送された15日の朝に自害した阿南惟幾陸軍大臣(役所広司)。
天皇陛下のご聖断と、陸軍の主戦派との間に板挟みになり、苦悩する姿は、三船敏郎とはまた違った人間味に溢れていて良かったです。
最後は切腹自害する事でしか、陸軍大臣として、本土決戦の血気にはやる下士官の気持ちを抑え込む方法が無かったんでしょうね。

こんな作品を観てしまうと、やはり如何なる理由があっても、国民を不幸にする戦争は行っては駄目と思ってしまいます。

あの終戦の日本で一番長い日がなかったら、戦死者は300万人に収まらず、日本人の存続も危ぶまれる状態になったろうし、北海道はソビエトに蹂躙されて、国土は南北分断されていたかもしれません。

憲法解釈を勝手に変えて、安保法案を可決させようとする内閣がいる、この時期だからこそ観ておきたい映画だと思います。

  1. 2015/08/21(金) 20:54:07|
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映画 『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』

この夏、一番観たかった映画『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』の登場です。

トム・クルーズ主演の世界的大ヒットシリーズ『ミッション:インポッシブル』の第5弾で、ローグ・ネイションとは『ならず者国家』と和訳されます。

あらすじ
IMFのベテランエージェントであるイーサン・ハントは、謎の犯罪組織「シンジケート」の正体を探るため調査を進めていた。そんなある日、イーサンは指令を受けるためにIMFのロンドン本部を訪れるが、そこはすでに「シンジケート」の手に落ちており、イーサンは敵の罠にかかってしまう。拘束されたイーサンは拷問を受けるが、謎の美女イルサによって命を救われる。イルサは自身の目的を告げぬまま、イーサンの脱出を手助けするのだった。一方その頃、CIA長官アラン・ハンリーの進言により、IMFは政府から解体を命じられてしまう。しかも、過去に数々の騒動に関わっていたイーサンは、CIAによる国際手配を受けてしまうのだった。
それから6ヶ月後、IMFの元メンバーはハンリーの監視を受けながら、それぞれCIAから与えられた任務をこなしていた。だが、イーサンだけはCIAから身を隠しながら、独自に「シンジケート」を追い続けていた。「シンジケート」とは、死んだと思われている各国のスパイ達が集まってできたならずもの国家であると突き止めたイーサンだったが、一人ではその陰謀を食い止めることはできず、仲間のベンジーに協力を依頼する。イーサンはベンジーと共に「シンジケート」の作戦を食い止めようと奔走するが、そこでイルサとの再会を果たす。イルサの正体を「シンジケート」に潜入中のイギリスの諜報員だと見破ったイーサンだったが、敵の作戦を阻止することはできず、オーストリア首相の暗殺を許してしまうのだった。
イルサから「シンジケート」のボスであるソロモン・レーンの極秘情報が入力されたデータファイルが、モロッコの発電所の地下にある極秘施設に眠っていることを知らされたイーサンは、それを敵よりも早く入手するために再び危険なミッションへと挑むのだった。




離陸する軍用機のドア外部に張り付き、時速400キロで高度1500メートルに上昇する機体内へ侵入!
普通ならこのシークエンスが作品の一番目玉であり、アクションシーンの筆頭であるはずなのだが、いきなり作品の冒頭に登場して驚いてしまいました。

そこから先はアクションにつぐアクション。
ローグネイション(ならず者国家)と名指される多国籍スパイ集団“シンジケート”、英秘密情報部MI6、IMFそれぞれに属するエージェントたちが三つ巴の駆け引きを演じ、アクション以外に知略戦の様相も現れます。

前作の「ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル」のブルジュ・ハリファ(ドバイにある世界一高い超高層ビル)の外壁シーンも途方もない高度感を味あわせてくれて凄かったのですが、今回の3分間素潜りや、スピード感が半端じゃないバイクシーンなど息も切らせぬアクションシーンに魅了されました。

脚本にしても前回の核ミサイル阻止の余りに荒唐無稽な内容よりも真実味に溢れていてリアル感がありました。

しかしトム・クルーズは今やハリウッドでナンバー1のアクション俳優になってしまいましたね。
あの方もう50歳を過ぎているんですよね。
次回作の制作も決まったそうですし、ジャッキー・チェンのように肉弾でアクションするには限界が近いと心配してしまいますよ。

でも傑作と思った前回を遥かに凌ぐ出来栄えだったので、今回の評価は90点です。
この映画、映画館の大型スクリーンで観なきゃ後悔しますよ。


  1. 2015/08/16(日) 15:42:49|
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