東北の山遊び(雑記帳)

日々感じた事を気の向くままに書いていきます。添付写真とは無関係な内容も多いです。

映画 『疾風ロンド』

いろいろ頭の中がパニックを起こしそうな仕事が続き、ゆるい映画でも観にいこうと考えて、スキーやスノボの滑走シーンを予告編でやっていて、気になっていた『疾風ロンド』を観てきました。

この作品は「容疑者Xの献身」など数多くの著作が映像化されてきた直木賞受賞作家・東野圭吾の小説を映画化したものですが、彼の作風では珍しいコメディタッチの作品です。

あらすじ
大学の研究施設の違法生物兵器「K-55」が盗難に遭い、さらに国民を人質に身代金3億円を用意するよう脅迫メールが届く。残された時間は4日間、主任研究員の栗林和幸(阿部寛)はひそかに兵器を探索するという任務を依頼されるも、手掛かりはゼロ。そんな折、犯人死亡というまさかの事態にぼうぜんとしながらも大惨事を回避すべく、犯人の遺品をヒントに国内屈指の規模を誇るスキー場へと向かう。




野沢温泉スキー場が舞台の雪山サスペンスなら見ないと後悔する、と意気込んで観に行きましたが、いやはやこれは一言で言って珍作でした。

阿部寛のコメディタッチの作品は『トリック』や『テルマエ・ロマエ』が直ぐに連想されますが、本作もほぼ同系列のすっとぼけた笑いを提供してくれます。
しかし『トリック』では仲間由紀恵、『テルマエ・ロマエ』では上戸彩という、いい突っ込み役がいたのですが、本作ではそれらの女性に当たる役回りの人がいないので、阿部寛のピン芸人的なお笑いに終治し、笑いのインパクトに欠けた感じがしました。
あえて言えばムロツヨシがその役回りなんでしょうけど、阿部寛との絡みのシーンが少なすぎるんです。

結局、この作品の主題は家族の絆を確かめるという一点に終息しますが、肝心の違法生物兵器探索の切迫感が薄いので、その点では消化不良に陥ってしまいました。

でもスノボ協議でオリンピックを目指す女性役の大島優子の滑りはなかなかのもので、特に「SNOW WARS」と称する滑走中のストックでの戦いは最高に面白かったです。

まあ、頭が疲れた時に、くすくす笑えるこんな映画の存在は助かります。

評価は以前行った野沢温泉の温泉街の風景が少しだけ見られたので、その点が嬉しくなって60点です。



  1. 2016/11/29(火) 22:14:32|
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映画 『この世界の片隅に』

ネットで絶賛されているアニメ『この世界の片隅に』を観てきました。

こうの史代のコミックをアニメ化したドラマだそうですが、原作を読んでいないので、その内容がどんなものか予告編を観ただけでは判断がつきませんでした。
監督は映画『マイマイ新子と千年の魔法』という作品を世に送り出した片渕須直さんと言う方ですが、この監督作品も未見なので、初めて聞くお名前でした。

映画の内容は予告編から判断すると、戦時中の広島県呉市のお話のようで、ジブリの高畑勲監督の『火垂るの墓』を連想させるような作りなのかな?と感じていて、あの内容だと気持ちが落ち込んでしまうなぁ~と、ちょっと引き気味な感じで観に行ったのです。



あらすじ
1944年広島。18歳のすずは、顔も見たことのない若者と結婚し、生まれ育った広島の江波から20キロメートル離れた呉へとやって来る。それまで得意な絵を描いてばかりだった彼女は、一転して一家を支える主婦に。創意工夫を凝らしながら食糧難を乗り越え、毎日の食卓を作り出す。やがて戦争は激しくなり、日本海軍の要となっている呉はアメリカ軍によるすさまじい空襲にさらされ、数多くの軍艦が燃え上がり、町並みも破壊されていく。そんな状況でも懸命に生きていくすずだったが、ついに1945年8月を迎える。


この作品を観終わって、とにかく心暖かい気持ちに包まれました。
悲惨な戦争の描写が入る内容で、主人公のすずにも不幸な出来事があるのですが、とても素晴らしいエンディングを迎えます。
最初に言っておきますが、この作品は10年に一度出るかどうかの大傑作です。

今までの戦争映画と言うとバイオレンス的な描写がクローズアップされるし、お涙頂戴の過剰演出が逆にうさん臭く感じてしまうものなのですが、この作品はそれと真逆なアプローチを取っています。

物語の2/3はすずの子ども時代から、18歳で嫁いで、戦局の悪化により物資が滞り食糧難になって家のやりくりが厳しくなるまでの日々の生活が淡々と語られます。
淡い水彩画調の背景画が、ゆるやかに時間が流れるあの時代の感じを良く出しています。

市井の人々の戦時中の生活を題材にした映画を観たのは初めてかもしれません。
主人公のすずの、頑張っても頑張っても苦しくなる生活に文句ひとつ言わず、自分の知恵で何とか乗り切ろうと、明るさを保ちながら奮闘する姿はとても健気に見えます。

そして昭和20年(1945年)8月が来ます。
軍事基地があった呉は連日激しい空襲に見舞われ、気持ちが休まる暇もありません。
そこから20km離れた広島は・・・・・・・・・・

この作品は女優ののん(能年玲奈)の出世作『あまちゃん』の東日本大震災へのカウントダウン的な描き方に近い側面を有しています。あの作品もコメディタッチで進むドラマの終盤に震災と言う対局のドラマをはめ込みました。
でも最後は復興の希望に燃えた明るいエンディングになっています。

今回の『この世界の片隅に』も悲しい出来事で明るさを失った主人公のすずに対して、最後に明るい希望を与えて終わります。観終わった後もじわじわと感動の余韻が続き、すずが現実に今の時代まで生きているような錯覚に陥ります。

のんは声優ではありませんが、おっとりした性格のすずに乗り移ったような素晴らしい演技を見せてくれました。
のんの起用なくして、この作品の成功もなかったと思います。
そして全ての音楽を担当したコトリンゴも良かったです。
キリンジのライブで見たアグレッシブな演奏とは対極の、ゆったりとした映像にマッチした音楽を作っていました。

今年は『シン・ゴジラ』、そして空前の大ヒットとなった『君の名は。』が公開され、邦画の当たり年と言われています。
でも年末近くなって、良作だったその2作品を遥かに超越する大傑作を観れて、とても満足できる年になりました。

作品の良い点を語り過ぎると完全にネタバレの域に入ってしまうので、これ以上の感想を書くのは躊躇われますが、とにかく観れるチャンスのある方は是非映画館に足を運んで観てください。(公開されているシアター数の少ないので。)
実写映画でなく、アニメだから成し得た表現を最大限に利用して、素晴らしい芸術作品に仕上がっています。

私の評価は100点です。長く日本映画の良作として語り継がれている作品だと思いますよ。






  1. 2016/11/19(土) 22:55:57|
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映画 『スター・トレック BEYOND』

大好きなシリーズ物の映画であるスタートレックの最新作『スター・トレック BEYOND』を観てきました。

シリーズを再構築したJ・J・エイブラムスは今回制作に当たり、『ワイルド・スピード』シリーズで有名なジャスティン・リンは新たな監督になった作品です。

あらすじ
カーク船長(クリス・パイン)率いるエンタープライズ号は、未踏の星に不時着した探査船を捜索していた。すると突然、謎の異星人・クラール(イドリス・エルバ)がエンタープライズ号を襲撃。カークたちは脱出するも、艦は墜落し、クルーは散り散りになってしまう。不時着した見知らぬ惑星で、カークは約100年前に消息を絶ったエディソンが乗艦していたフランクリン号を発見。そこには、あるものが残されていた。




スタートレックは過去にTVドラマとして日本では1969年4月より『宇宙大作戦』というタイトルで放送していました。
私も『宇宙家族ロビンソン』とともにTVに齧りついて見ていたものです。

但し、スタートレックはどちらかと言うと、今ではとてもプアに感じるスタジオセットの中で、エンタープライズの乗員が長々と話をしている印象しかありません。
当時の特撮技術では迫力ある戦闘シーンの映像は難しかったのでしょうね。
私の場合は後に登場するスターウォーズの方に熱狂してしまったタイプです。

でもJ・J・エイブラムスが手掛けたの「スター・トレック」は最良の形のリブートとして構築されていて、スタートレックの真の面白さを再確認させてくれました。
トレッキーと称されるスタートレックオタクの方々は、以前の話とかなり違った展開に批判的な意見を持つ人もいるようですが、平行宇宙を描いている作品なので、別な話の展開になるのは当然と思います。
それに結末が予想できない方が、面白いに決まっています。

今回の作品は過去2作品と異なり、エンタープライズのクルー全てに見せ場を与えて、チームプレイで難局を乗り切るところを見せてくれました。
TVシリーズであったスポックとマッコイのどつき漫才の様な掛け合いも出てきて、見ていてとても楽しくなりました。
アメリカではあまり評価が高くなかった作品のようですが、私は面白かったので評価は80点です
マイナス20点は、あんなに早いタイミングでエンタープライズ号を破壊して欲しくなかったためです。

余談ですが、チェコフを演じたアントン・イェルチンが急逝してしまった事はとても残念でした。
ご冥福をお祈りいたします。


  1. 2016/10/31(月) 19:18:36|
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映画 『君の名は。』

何か古風なタイトルの映画『君の名は。』は、『秒速5センチメートル』や『言の葉の庭』などの秀作をクリエイトした新海誠が監督と脚本を務めた最新作アニメです。

今までの新海監督の作品は小スクリーンにて単館上映される一部の熱狂的なファンのみ訴求する作品でしたが、本作品は東宝が配給し大手シネコンで上映される、新海監督としてはメジャーデビューの作品になっています。

そんな訳でキャラクターデザインに『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』シリーズなどの田中将賀、作画監督に『もののけ姫』などの安藤雅司など日本アニメ界の錚々たるメンバーがバックアップしていて、新海誠ファンの私も大いに期待した作品でした。



あらすじ
1,000年に1度のすい星来訪が、1か月後に迫る日本。山々に囲まれた田舎町に住む女子高生の三葉は、町長である父の選挙運動や、家系の神社の風習などに鬱屈(うっくつ)していた。それゆえに都会への憧れを強く持っていたが、ある日彼女は自分が都会に暮らしている少年になった夢を見る。夢では東京での生活を楽しみながらも、その不思議な感覚に困惑する三葉。一方、東京在住の男子高校生・瀧も自分が田舎町に生活する少女になった夢を見る。やがて、その奇妙な夢を通じて彼らは引き合うようになっていくが……。


実は予告編を見て、従来の繊細なキャラクターとは異なる流行りの、言い換えれば現代的なフォーマットのキャラクターデザインになってしまい一抹の不安を持っていました。
そして実際に鑑賞してみると、その不安は的中、何か細田守監督の『時をかける少女』や『サマーウォーズ』を見ているような既視感覚を持ってしまいます。

新海監督の独壇場である、日本アニメ内でも稀有な珠玉の背景描写はそのままなんですが、ドタバタ動くキャラが背景から浮いている感じがしました。

話の内容は最後が新海監督作品で初めてのハッピーエンドで終わり、鑑賞後の爽やかさは非常に良かったですが、話の展開が性急過ぎて少し置いてけぼりを喰った感じです。

下記の点が決定的に漏れているんです。
●二人はどんなきっかけでお互いを好きになったのか?
●何故心と身体が入れ替わる対象がこの二人でなければいけなかったのか?
●主題歌で煩いくらい連呼している『前前前世』からの赤い糸の繋がりが一切表現されていない。
●スマホに日記つけているのに、時間軸が違っている事に気づかないのはおかしい。
●彼女が最後に父親を説得しているシーンがなく、父親の変節の理由が全く不明。

などなど、観た人がそこは脳内補完して下さいといった非常に投げやりな作りが鼻につきました。

それに私は全然知らなかったのですが、音楽を担当したのがRADWIMPSとかいう4ピースロックバンド(最近の二十歳以下に絶大な人気を誇っているらしい)で、劇中に何曲も歌入りでやかましく入ってくるのだから、これには参ってしまいました。
新海作品は過去に音楽を担当していた天門との相性が抜群だったので、完全に時代にこびた売れ線を狙った起用と感じます。
はっきり言ってアニメ映画はミュージシャンのMVじゃないんだから、その点では全く評価できません。
過去に『秒速5センチメートル』のラストで使用した「One more time, One more chance」(山崎まさよし)や、『言の葉の庭』のラストを盛り上げた大江千里のカバー曲「Rain」(秦基博)の名曲と比べたら、主題曲の持つ力が決定的に劣っていると感じました。

以上、本作品の欠点を挙げましたが、後半から一気に動き出す展開や、『秒速5センチメートル』における鬱的なラストを明るくリニューアルしたような内容なので、今回は一般にも評価が高い作品になったと思います。
この作品の興行成績は最終的に60億円にもなりそうな大ヒットだそうです。
観ていた方々のほとんどは大学生以下の年代だったので、私のようなおんつぁんはターゲット外だったのでしょうね。

いろいろ作品の気に入らないところを羅列しましたが、私的には新海監督の究極の美しい背景描写を大きなスクリーンで浸れたことは、とても嬉しく感じるのでした。
背景画に見入って、一瞬たりとも見逃すまいとスクリーンを注視する作品って他の映画ではありえませんよ。

いろいろプラス・マイナスがあるけど、私的に今回の評価は少し甘めに80点です。
新海誠監督はこのまま売れ線の大衆に迎合した作品しか作れなくなっていくのでしょうか?
まだまだ全盛期の宮崎駿の域まで達していないと感じます。
しかしそのポテンシャルは充分持ち合わせている監督だと思いますよ。


  1. 2016/09/01(木) 18:00:08|
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映画 『X-MEN:アポカリプス』

ハナちゃんが餌をもりもり食べてくれるようになってくれたので、夫婦で夜に外出して映画を観てきました。

お互いに好きな映画シリーズの最新作『X-MEN:アポカリプス』です。

X-MENはマーベルコッミクの人気シリーズの実写化映画ですが、同じマーベルの中でもアベンジャーシリーズは最近は食傷気味で、映画館で観る気がしなくなってしまいました。
しかしこのX-MENに関しては単なるアクションものに終わらず、人間ドラマが濃厚な作りなので、ずっと追いかけています。

この映画はヒットシリーズ『X-MEN』の第6弾にして新三部作の完結編です。
あらすじは、1983年。文明が誕生する数千年前から神として君臨していた、ミュータントの始祖でもあるアポカリプス(オスカー・アイザック)が、突如として長い眠りから覚醒する。数千年ぶりに目にした人間とその文明が、誤った方向に進んでしまったと考えた彼は新しい秩序が必要だと判断。マグニートー(マイケル・ファスベンダー)など、4人のミュータントを率いる。彼の存在と考えを知ったプロフェッサーX(ジェームズ・マカヴォイ)は、ミスティーク(ジェニファー・ローレンス)らと共にその行動の阻止に挑むが……。




前作の『X-MEN:フューチャー&パスト』でウルヴァリンが過去を変えてしまったので、旧三部作の世界が一旦無きものとなってしまいました。
今回の作品は改変された過去から、新たに始まるパラレルワールドの世界なので、その辺を頭の中で整理しないと、いろいろ混乱してしまう内容です。
ある解説では旧作の第一作目に繋がるといった事を書いている評論家の方もいますが、それは間違いで別な時間軸の流れです。

一緒に観たマスさんは敵味方が旧三部作の流れと異なり、急に1980年代の若い頃のミュータントの物語なので、各々のキャラの把握に時間がかかったようです。

まあ、凄い超能力の映像を観ているだけでも楽しいのですが、本作品は超能力のレベルがあまりにも荒唐無稽な表現になってしまったので、ちょっと引いてしまう感じでした。
無双のアポカリプスがいなくても、マグニートの力だけで全世界を滅亡させることが可能です。

敵役のアポカリプスにしても、その潜在能力を全て見せている訳ではないので、とても適わないといった絶望感に乏しい感じでした。邦画の『シンゴジラ』の巨神兵的な破壊シーンの方が、絶望感を嫌というほど見せてくれました。

はっきり言って、前作品でジーンが死ななかった新しい未来のシーンで完結にしてほうが良かったと思いますし、この作品は無理やり制作しか感が濃厚です。

それにウルヴァリンの登場シーンがほんの僅かで、カメオ出演と言われてもいいほどだった点が残念!
さらに他の主要キャラが全て若返ってしまったのに、ウルヴァリンがやけに歳とってみえました(苦笑)

まあ、このシリーズのファンなので、若い頃の主要キャラの活躍を見ただけで満足できましたが、キャラの立ち位置が矛盾点だらけなので、あまり深く物語に入りこむことができず、ちょっと消化不良な作品と言えます。

この作品の点数は70点。
次回作はスピンオフの『ウルヴァリン』関連になるみたいで、これは期待できます。
でもヒュー・ジャックマンの出演はそれで終わりなのかな? 





  1. 2016/08/28(日) 18:00:01|
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映画 『シン・ゴジラ』

『エヴァンゲリオン』シリーズなどの庵野秀明と『進撃の巨人』シリーズなどの樋口真嗣が総監督と監督を務め、日本発のゴジラとしては初めてフルCGで作られた本作『シン・ゴジラ』は、ゴジラ大好きな私にとっては必見の映画です。

さっそく本日観てきましたよぉ~。

あらすじ
東京湾アクアトンネルが崩落する事故が発生。首相官邸での緊急会議で内閣官房副長官・矢口蘭堂(長谷川博己)が、海中に潜む謎の生物が事故を起こした可能性を指摘する。その後、海上に巨大不明生物が出現。さらには鎌倉に上陸し、街を破壊しながら突進していく。政府の緊急対策本部は自衛隊に対し防衛出動命令を下し、“ゴジラ”と名付けられた巨大不明生物に立ち向かうが……。





この作品は今までのゴジラ映画とは全く異なった視点で描かれている点が秀逸です。
現代日本に未知の巨大生物が上陸したさい、政府並びに自衛隊は如何に対処するべきか、という有事シミュレーションをとことん突き詰め、縦割りの現在の政治&行政組織の硬直化がまねく意思決定の鈍足化をあぶりだしています。
それに放射能汚染まで踏み込んで描かれているのは、現政権におもねることなく、映画としての自由な表現を打ち出していて好感が持てます。
特に圧巻だったのは多摩川攻防戦で初めて火器の使用を発動した総理の決断と、そこから始まる激しい攻撃シーンです。
ヘリで空中から遠景で撮ったアングルが素晴らしかったです。

でも褒められる点ばかりではなりません。
300人を超える登場人物と、ほとんどのシーンが会議室及び執務室で占められている点は、カット割りし過ぎの編集も含めてマイナスポイントだと感じます。子どもを連れていったら絶対に飽きてしまうでしょう。
それにほとんどの登場人物が早口過ぎて、セリフが聞き取れないことも多く、演出面で疑問符をつけざるを得ませんでした。

本作品の主役はゴジラそのものですが、その最終造形ははっきり言って私の好みのゴジラ像とはかけ離れています。
一昨年公開されたギャレス・エドワーズ監督の「GODZILLA ゴジラ」の方が活動的で筋肉質溢れた生物としての躍動感が感じると思いました。
それにちょっと懸念していたのですが、熱線放射のシーンはどう見ても巨神兵にしか見えませんよね(笑)

まとまりのない感想を書きましたが、ゴジラ好きは見て損はない映画だと思いますので、評価は75点です。

石原さとみは可愛い女性で、この映画の花にもなっておりますが、米国大統領特使 カヨコ・アン・パタースン役と言うのは無理が過ぎましたね。

  1. 2016/07/29(金) 18:17:42|
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映画 『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』

20年前に公開され、地球に攻めてきた侵略者と人類の激突を描いたSF大作『インデペンデンス・デイ』は、当時のVFXやCGの技術技術を駆使した映画で、その迫力に度胆を抜かれてしまいました。
ウィットに富んだセリフと、爽快な話の帰結が素晴らしく、ローランド・エメリッヒ監督の名を広く映画ファンに認知させた良作だと思います。

そして前作での闘いから20年後を舞台に、地球防衛システムを完備した人類が再び侵略者と対峙する本作
『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』は、前作のファンには絶対外せない作品です。

あらすじ
エイリアンによる地球侵略に人類が立ち向かい、およそ30億人もの命を失いながらも勝利を収めてから約20年が経過した。人類はさらなる襲来に備えようと、エイリアンが残した宇宙船の技術を転用した地球防衛システムを作り上げる。2016年7月、そんな人類を試すようにアメリカ全土を覆うほどの大きさを誇るエイリアンの宇宙船が出現。彼らは重力を自在に操る圧倒的な科学力で、ニューヨーク、ロンドン、パリといった都市を次々と襲撃する。猛攻撃は止むことなく続き、人類存続の要であった防衛システムも無力化してしまう。




余りにも大業なディザスター映画ばかり作ってきたエメリッヒ監督ですが、そのハッタリ的な描写はこの作品で極まった感じがします。
アメリカ大陸級の超ド級マザーシップの襲来により、その機体の内部重力で地表のありとあらゆる建造物やランドマークが持ち上がり、それらが一斉に落下してくる地獄の様相はエメリッヒ監督でしか表現できなかったでしょう。

でも本作品の見せ場はここまででした。

前作はウィル・スミスと言う物語の核となる主人公がいたので、物語の視点がぶれない作りでしたが、ウィル・スミスが出演しない本作は誰が主人公なのか一向に分からない群像劇に終始したので、話の内容がとても希薄に感じました。

あまり詳しく書くとネタバレになってしまいますが、最後は何やらエメリッヒ監督の黒歴史である『GODZILLA』のラストシーンを彷彿させますし、『GANTZ』の様な球体の出現に至っては、『この展開はないだろぅ~!』と苦笑してしまいました。

ネット民の中では中国市場を意識し過ぎる内容、と不評をかっていますが、今やアメリカを凌駕する勢いの中国の映画産業の隆盛を考えると、ビジネスなんだからそれは仕方のない事です。
日本の映画で毎年ヒットするのはアニメ、もしくはイケメン俳優をキャスティングした邦画である点も、ハリウッドがより中国にシフトする原因なんですよ。

話が逸れましたが、元大統領役のビル・プルマンや、技術者役のジェフ・ゴールドブラムなど第1作のメンバーが再結集していて、何か同窓会に出たような感じを味わえたので、今回の評価はおまけして60点です。

しかし何も考えずに凄い映像を楽しむだけなら、夏場の2時間の冷房の効く避暑にはもってこいだと思います(笑)


  1. 2016/07/21(木) 22:06:53|
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映画 『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』

2010年に公開されたティム・バートン監督の『アリス・イン・ワンダーランド』の続編に当たる、
新作『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』をマスさんと観てきました。

今回監督をされたのはジェームズ・ボビンで、ティム・バートンは製作側に回っているようです。

原題は『鏡の国のアリス』なんですが、その点はほんの僅かしか触れられておらず、今作品は時間の旅がメインの主題になっています。
すっかり大人になったミア・ワシコウスカやジョニー・デップなど前作のキャストが続投し、時間を司るタイムを、『ブルーノ』などのサシャ・バロン・コーエンが演じています。



あらすじ
ワンダー号での3年に及ぶ船旅からロンドンに帰郷した後、青い蝶アブソレムにマッドハッター(ジョニー・デップ)のことを聞いたアリス(ミア・ワシコウスカ)。マッドハッターは、ワンダーランドで死んだ家族の帰りを待っていたのだ。ワンダーランドに着いたアリスは、白の女王(アン・ハサウェイ)たちから頼まれ、マッドハッターの家族をよみがえらせるべく、過去を変えようとする。時間の番人タイム(サシャ・バロン・コーエン)から時間をコントロールできる“クロノスフィア”を盗み、時間をさかのぼったアリスだったが……。


本国アメリカで大コケした評判は聞いていて、こちらの映画レビューでもあまりいい評価を与えられていない作品でしたが、前作は『アバター』が作りだした3Dブームの余勢をかって、家族で楽しめるファンタジー映画のタイミング良い公開だったので、大ヒットしたのは当然と言えます。

でも他人の評判より、ファンタジー映画が大好きな我々にとって、この映画は必見の作品でした。
そんな点も考慮して下記に私の感想を述べるので、多少採点は甘くなっています。

【感想】

前作品はバートンが具現化した奇矯なキャラたちが、極彩色のワンダーランドで繰り広げる奇天烈なアドベンチャー娯楽作でしたが、バートン特有の毒がありすぎる世界観が少し鼻につきました。
頭部をVFXで巨大化させたヘレナ・ボナム・カーター演じる赤の女王が、事あるごとに『首をはねておしまい!』と絶叫するシーンばかり目立ち、見ていてうんざりした思いがあります。
最後のジャバウォッキーとの戦いでは、普通の女の子が、何故突然剣を持って怪物と戦えるスキルがあるのか、唖然として見てしまいました。

しかし今作は前作の様な唐突な話の持って行き方はなく、等身大のアリスの活躍がメインで、しかも話が非常にテンポ良く進むので、お話にドンドン引き込まれていく感じでした。

それに白の女王(アン・ハサウェイ)と赤の女王の幼少期から続く確執にも触れられていて、何で赤の女王が極悪になったか、やっと合点がいきました。

予告編では悪役と思っていたタイムが、実際は凄く良い人だったと言うのも面白かったです。
ワンダーランドを破滅に導くかもしれない“クロノスフィア”を盗んだことについて、アリスを許す優しさを持っています。

まあ、最後はディズニーらしくハッピーエンドで幕を閉じますが、押しつけがましくなく良い印象でした。

でも得意の白塗りでマッドハッターに扮したジョニー・デップですが、大分歳を感じるようになってしまいましたね。
もう白塗り路線はこれで止めにした方が良いと思いますよ。


今回の映画の点数は、大甘で80点です。


  1. 2016/07/07(木) 18:00:45|
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映画 『アイアムアヒーロー』

『アイアムアヒーロー』は花沢健吾の人気コミックを実写化したパニックホラーです。

実はこの漫画をずっと愛読していたものですから、映画化にも期待していたのですが、その内容はいかに・・・

あらすじ
漫画家アシスタントとしてパッとしない日々を送る、35歳の鈴木英雄(大泉洋)。そんな彼の恋人が、人間を凶暴に変貌させるウイルスに感染して襲い掛かってくる。慌てて趣味の射撃で所持する散弾銃を手に外に飛び出す英雄だが、街はZQN(ゾキュン)と呼ばれる感染者であふれていた。出会った女子高生・早狩比呂美(有村架純)と逃げるが、彼女は歯のない赤ん坊のZQNにかまれて半分ZQN半分人間という状態に。比呂美を連れてショッピングモールに逃げ込んだ英雄は、そこで藪(長澤まさみ)という勝気な看護師と顔を合わせる。




話の内容を一言で言うとゾンビパニックものですが、冴えない中年男性が自分の置かれた不合理な境遇に悩みながらも、一緒に逃げる女性二人を必死に守っていくお話です。

予告編を見て、主人公の英雄に大泉洋のイメージがぴったりはまっていたので、外せない映画になっていました。
しかしいろいろ忙しく、なかなか映画館に足を運べなかったので、公開終盤のレイトショーをマスさんと観賞してきたのです。

で、見た感想ですが、漫画も未完のために、ショッピングモールのところまでしか実写化できないと予想していましたが、それは見事に的中しました。

英雄の彼女の黒川徹子が感染して英雄に襲いかかる場面や、それに続く感染者であふれ返った街中からの逃亡劇には手に汗を握って面白かったのですが、最後の展開がいけません。

ショッピングモールから逃げ出す段になってからのスプラッター度が半端なく、ただただ銃を撃ちまくるだけで画面に変化がないため、食傷気味になってしまいました。
原作ではここでZQN化していても人間を銃撃することに主人公は躊躇し、激しい嫌悪感を抱くのですが、それを一切省いてしまったので、単なるシューティングゲーム的な画面展開を延々見せられるだけに終わってしまいました。

グロ画面に耐性のない人ならとても正視に耐えられなかったでしょうね。

それにこの映画の最大の欠点は、ZQN化や比呂美が半ZQNになっている理由が一切明かされない事です。
私は漫画を読んでいるので、原作に沿った作りのために概ね話の流れがつかめているのですが、映画単体で見た場合は何が何だかさっぱり分からない映画だったと思います。

始めから何部作の映画なんだと、知らされていれば何の解決にもなっていないラストもありなんですが、映画が当たったなら次回作の制作を考えよう的な作りはどうも嫌いです。

しかし、低予算ながら鑑賞に耐えられるジャパニーズゾンビ映画を作ってくれた事に敬意を称して、
この作品の評価は60点が妥当でしょう。



  1. 2016/06/16(木) 20:38:47|
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映画 『レヴェナント:蘇えりし者 』

いろいろ忙しくて映画を観に行く余裕がなかったのですが、一昨日久しぶりに一人で映画を観てきました。

今年のアカデミー賞の監督賞、主演男優賞、撮影賞をとったアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督の最新作『レヴェナント:蘇えりし者』です。



あらすじ
1823年、西部開拓時代のアメリカ北西部、極寒の荒野の中、狩猟をして毛皮を採取するハンターチームはネイティブアメリカンの一団に襲われ多大な犠牲にあいながら命からがら船で川を下る。チームのひとり、ヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)はネイティブアメリカンの妻との間にできた息子、ホークとともにガイドとして同行していた。船を捨て山越えルートを選んだチームは森で野営する。翌早朝、グラスは見回り中に子連れの熊に襲われ、瀕死の重傷を負う。急ごしらえの担架でグラスを運ぶが山越えには足手まといであること、瀕死でもあることから、隊長のアンドリュー・ヘンリーが死ぬまで見届け埋葬する者を募ると、ホークとジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)、若いジム・ブリッジャーが残ることになった。ジョンは2人がいない時にグラスを殺そうとするところをホークに見つかり銃を向けられるが、返り討ちにし殺してしまう。ジョンはジムを騙しグラスに軽く土をかけただけでその場を離れる。一部始終を見ていたが動けないグラスは奇跡的に一命をとりとめ、自分を見捨てた息子を殺したフィッツジェラルドに復讐を果たすべく、大自然の猛威に立ち向かいながらおよそ300キロに及ぶ過酷な道のりを突き進んでいく。


本作品は今年のアカデミー賞の監督賞、撮影賞、そして主演男優賞の主要三部門を獲得しました。
最近のアカデミー賞はくそ難しい内容の作品ばかりで、エンタメ的な要素が感じられないものが多かったですが、本作品に関しては近年稀に見る傑作と称しても間違いなさそうです。

しかしかなりリアルでショッキングな血なまぐさい映像が続きますので、女性の観賞に耐えられるかは疑問です。
デート鑑賞には全く向かない作品でした。

近年のハリウッド映画はCGやVFXでの映像表現過多で、役者はほとんどブルーバックの中で演技する事が多いようですが、現在その反動で自然のままで撮影する原点回帰の流れが進んでいると言われています。

確かにマーベルの一連の作品は刺激的なCG映像が売りですが、観終わった後で何も記憶に残らないのが最大の欠点でした。

本作品の凄いところは自然の描写を、人工的なライティングを使わず、自然光のみで表現した点です。
マジックアワーと呼ばれる日の出日の入りの1時間半のみ撮影した事で、空のグラデーション表現に深みが増し、物凄く美しい自然の姿が出ています。
ほとんどの撮影はワンテイクの一発勝負だったらしく、その準備として一日8時間にも及ぶリハーサルの末に撮影したので、役者を含め現場のプレッシャーは凄かったと思います。


また超広角レンズを多用し、パンフォーカスで人物と後の背景のどちらにもピントが合っている独特な映像表現が施されています。
荒涼とした雪の荒野に自分も一緒にいるかの様な錯覚に陥ってしまうのは、新鮮な驚きでした。
ディカプリオの顔から5cmしか離れていない場所にレンズを置いて撮影しているので、吐く息でレンズが曇ってしまうほどです。

そして本作によってアカデミー撮影賞3連覇を成し遂げた撮影監督:エマニュエル・ルベツキによる、前作『バードマン』に引き続いての長回しのカットはよりスケールと難度を上げている感じでした。
その長回しはアメリカ先住民の大規模襲撃シーンや、凶暴な熊にグラスが蹂躙され続ける痛ましいシーンで見られますが、最初の襲撃シーンの迫力は名作『プライベート・ライアン』のノルマンディ上陸作戦の凄惨な戦闘シーンに匹敵する恐ろしいものでした。

主演のディカプリオはアカデミー賞の主演男優賞に過去5回ノミネートされながら、受賞を逸してきた悲劇の男優でしたが、本作でやっと悲願の主演男優賞を獲得しました。
それには納得で、とにかく鬼気たる演技の数々には『タイタニック』でアイドル的な立ち位置を確立したレオ様の姿は一切ありません。


その怪演ぶりの一端を披露すると、熊に襲われるシーンではワイヤに繋がれて地面に叩きつけられ、凍てつく河に流され、零下27度の中で低体温症になり、崖から突き落とされ、挙句の果ては私生活ではベジタリアンなのに、生のレバーや生きた魚を食べされられ、思わず吐いてしまうシーンもあります。
最後の格闘シーンでは鼻の骨を折ってしまったとか・・・・・・
ここまでやらなければ主演男優賞を取れないなんて何と因果な商売なんでしょう。

お話は息子を殺し、自分を荒野に置き去りにしたジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)に対する復讐劇なんで、とても感情移入がしやすかったです。

でも時折挿入されるバイソンの骨のピラミッドと、崩壊寸前の教会のシーンが最初は意味不明でした。
最後まで見ていると、自然やアメリカ先住民から搾取するだけの白人に対する批判の象徴として将来的に絶滅したバイソンの骨があり、どんなに苦しい立場にあっても神は一切助けてくれない、という事を暗示するために崩壊寸前の教会があったと感じています。

しかし復讐を果たした後の、最後のディカプリオのシーンは未だに意味がつかめません。
一見、虚無感に満ちた顔に見えるのですが、妻と息子を殺された彼の未来に明るい希望があるんでしょうか?

評価、映像と演出の点では100点満点なんですが、見る人を選ぶと言う点では万人向きとは言えない作品なので、80点が妥当でしょう。
私的には見応えのある素晴らしい作品だと思いました。





  1. 2016/05/12(木) 22:33:05|
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映画 『エヴェレスト 神々の山嶺』

『エヴェレスト 神々の山嶺』夢枕獏の小説「神々の山嶺」を実写化した映画です。
過去にその小説の文庫本を読んでいて、狼と異名をとった不世出の日本人クライマー森田勝さんを題材にした発想の面白さに魅了されました。

ちなみにこの野武士然とした男性が森田勝さんです。

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今回の映画はその森田勝を題材にした、羽生丈二というアルピニストを、阿部寛が演じると言うことで大いに期待していたんです。

ところが映画が公開された直後から、Yahoo映画のレビューは非難ごうごうで、これは観ない方が良いかな?と思うようになってしまいました。
山仲間のナカシィさんも観てきたそうですが、かなり酷い印象の映画だったようで、逆に私が観た感想を聞きたいとまで言われてしまい、重い腰を上げて観ることにしました。

あらすじ
ネパールの首都カトマンズ。ヒマラヤ山脈が見えるその街で、日本人カメラマンの深町誠(岡田准一)は古めかしいカメラを見つける。それはイギリス人登山家ジョージ・マロリーが、1924年6月8日にエベレスト登頂に初めて成功したか否かが、判断できるかもしれないカメラだった。カメラについて調べを進める深町は、羽生丈二(阿部寛)というアルピニストの存在にたどり着く。他人に配慮しない登山をするために孤高の人物となった彼の壮絶にして崇高な人生に触れるうちに、深町の胸にある思いが生まれる。




まあ、1000頁にも渡る小説を2時間の映画枠に凝縮するのだから、小説のエッセンスのみで終わってしまう映画かな、と思っていたのですが、あまりにも端折り過ぎの内容に唖然としてしまった、と言うのが素直な感想です。

でもエベレストに行くまでは、意外に納得できる展開でした。
(まあ、1960年代とそれ以降の時間軸の変化が画面ではほとんど分からない問題はありますが・・・)
しかし深町の二度目のネパール行きからグダグダな展開になって行きます。

ここからはネタバレありです。




とにかくこの深町っていう人物が余りにも滅茶苦茶な人間で、全く感情移入できないんですよ。
やることなすこと自分の限界を知らなさ過ぎで、栗城以上に無謀にエベレストに登っていこうとします。

羽生の後を追って遭難寸前に陥り、羽生に助けられ、その救助作業による時間の遅延が元で羽生は遭難したのかもしれません。

全く動機が分からない二度目のエベレスト挑戦では、どこから遠征費を工面したのかも理解不能ですし、しかも羽生の元カノの岸涼子(尾野真千子)まで同行します。
何故かノーマルルートを登る深町ですが、天候悪化にも関わらず、停滞しないで登り続けた結果、遭難しかかります。
ほとんど行動不能の状態で岩陰に入ると、そこであたかも蝋人形のように見える羽生の遺骸に遭遇します。
この遺骸は阿部が自演したものだそうですが、凍っているはずが微妙に動いて気味が悪いです。

さらに阿部の遺骸がスターウォーズで霊体になったオビ=ワン・ケノービの様に話しかけてくるではありませんか。
その生きろ!と言う啓示を受けて、深町はゴーグルも帽子もはぎ取って、猛吹雪の中を下山し始めます(オイオイ)。

ベースキャンプで待つ岸は『この山は大切な人の命をいくつ奪うの?』なんて言っていますが、無茶して突っ込む人が悪いだけで、エベレストは単にそこに存在しているだけです。
挙句の果てに深町と岸があたかも恋人であったかのような演出がされていて、帰らぬ深町の身を案じて涙する岸、『生きるんだ!』と叫びながら晴れた緩やかな雪原をふらふらになりながら下山する深町。
この二人、そんな関係だったのですか???????

しかし前段でマロリーのカメラの謎を追うミステリー仕立てにした意味が、最後まで全く回収されないのは何故?
羽生の霊体がそばにあるマロリーの遺体のザックの中に、エベレストを登頂したかどうかが分かるフィルムがある、と言っているのに、深町は『そんな事はどうでもいい。』と言い放ちます。
こんな事なら最初からマロリーに関する逸話は一切省いてくれたほうが潔く、羽生に感化された人間模様だけを深く表現してもらったほうが良かったと思います。


本作品の脚本が駄作と思っている『日本沈没』のリメイク版と同じ方でした。
さもありなんの、同系列の脚本です。



そんな訳で、この映画はお金払って観ると憤慨しそうな雰囲気を醸し出していたため、溜まったシネマポイントでの観賞でした。
それは正解。

まあ空気が地上の1/2しかないエベレストのベースキャンプ周辺で演技された俳優さんの苦労を加味して、
今回の評価は50点です。

エベレストに登ったシーンはほとんどCGなので、NHKあたりの番組で撮影した映像の方が迫力があると思います。
以前番組で放送していたグレートサミッツの山岳映像の方が格段に上ですよ。



  1. 2016/03/17(木) 20:38:09|
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映画 『ザ・ブリザード』

日曜日は咳喘息での体調不良もあり、登山はしないで買い物と映画鑑賞をしてきました。

今回観たのは『ザ・ブリザード』です。

アメリカ沿岸警備隊史上最も困難とされた海難事故、SSペンドルトン号の救出劇を映画化した実話に基づいたお話で、海洋アクションものが好きな私には見逃せない映画と言えます。



あらすじ
真冬の大西洋でブリザードに襲われた巨大タンカーが大破し、船内に32人の乗組員が取り残されてしまう。生存者の救出にバーニー(クリス・パイン)率いる4人の沿岸警備隊員が向かうが、彼らが乗り込んでいるのは定員12人の木製小型救助艇であった。一刻を争う状況で、一行は決死の救助活動に挑む。


Yahoo映画で賛否両論のレビューが飛び交っている映画ですが、私的にはなかなか見応えのある作品と思いました。
海の遭難における救助の話は、日本人には『海猿』のイメージが強く、あの過剰演出を見慣れてくると、静かな終わり方なので物足りなく感じるかもしれません。

しかしこの作品は脚本が素晴らしく、地上、救助艇、タンカー内のドラマを上手く絡ませて話に変化をつけています。
特に恋愛パートはいらないと言う意見も多いようですが、あの勝気な彼女の尻に引かれ、あまり主体性を持っていない性格の主人公が、荒波へ漕ぎ出していく過程の中で、最後に上司の命令に従わず、自らの状況判断で可能性を切り開いていく様には感動しました。

羅針盤をなくして現在地もわからず、一寸先の視界も閉ざされた最悪の状態の中で、最後に頼るのは現場にいる自分の勘しかないでしょうから。

イイ作品でしたが、欠点も幾つか。

はっきり言って3D字幕しか公開していないのは如何なものでしょうか?
この作品に関しては余り3Dの必要性を感じませんでした。
それで入場料400円増しとはボリ過ぎです。

邦題の『ザ・ブリザード』の本来的には暴風雪の意味なので、元題の『THE FINEST HOURS』の方が話の内容に合っていると感じました。因みにその意味は『最も素晴らしい時間』です。
エンドロールを見ていると、この元題の意味が理解できると思います。


今回の評価は、3Dしか公開していない配給側の思惑が見え隠れしているので70点です。

  1. 2016/03/08(火) 18:00:00|
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映画 『X-ミッション』

土曜日に映画『X-ミッション』を観てきました。
エクストリームスポーツの度胆を抜かれる予告編を見て、これは絶対に観なきゃいけない、と思っていた作品です。

実は予告編以外に全く予備知識を得ないで観たのですが、その内容が1991年にキャスリン・ビグロー監督で制作された「ハートブルー」にそっくりで、何か釈然としないものを最後まで感じてしまいました。
でも帰宅後に本作品がその「ハートブルー」を原案にしたという事が判明し、心のもやもやが霧消しました。
何てたって、原題(Point Break)も、ユタやボーディなどの役名も、FBI捜査官と犯罪集団のリーダーという関係性も、サーフィンをきっかけに接触するシナリオもまったく同じで、デジャヴ感覚が半端じゃなかったのですよ(苦笑)



あらすじ
以前アスリートだったFBI捜査官ジョニー・ユタ(ルーク・ブレイシー)は、エクストリームスポーツのカリスマ、ボーディ(エドガー・ラミレス)が中心となっているアスリート犯罪集団への潜入捜査を開始する。彼らには、卓越した能力を使って、犯罪行為を繰り返している疑いが掛かっていた。しかし、ユタは彼らと危険な行動を共にするうち、ボーディに対し信頼と友情を抱くようになり……。


観た感想ですが、一言で言うと素晴らしいアクション映画でした。
サーフィンやスノーボード界などの有名アスリートがスタントとして出演し、CGをほとんど使用しない生身のアクションが展開される映画は昨今のハリウッド映画では稀な存在です。
エンドロールの撮影ユニットの多さには呆れました。
多くのスタッフの苦労の末に超ド級のアクション映画が完成したことをエンドロールは現しています。

でも本作品の欠点はシナリオにあります。
精神と肉体をネクストレベルへ到達させようとし、極限の8つの課題に挑戦するボーディが、それを提唱したオザキの思想を曲解して、人間の自然破壊に対して犯罪的な行為を行う理由が自分には全く理解できなかったのです。

これだけ凄い超人的なエクストリームスポーツの世界を見せてくれるのなら、何もFBI捜査官と犯罪集団のリーダーと言う構図を作らなくても良かった感じがしました。
この点、「ハートブルー」に拘らず独自の解釈でエクストリームスポーツの神髄を見せてくれたら、アクション映画の金字塔的な作品になっていたと思います。

しかし上記の点を考慮に入れても、これほどの凄いアクション映像はなかなか見られるものではありません。
特にウィングスーツの滑空シーンと、エンジェルフォールのフリークライミングシーンは大迫力でした。
その特別映像があるので下に貼っておきます。





とにかく映画館のでかいスクリーンで観なければ、そのド迫力アクションは味わえないと断言します。

多少ストーリー展開に無理がある点を考慮しても、観る価値は充分の映画でしたので、
今回の評価は80点です。



  1. 2016/02/23(火) 18:00:00|
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映画 『オデッセイ』

巨匠リドリー・スコット監督がメガホンをとった最新作『オデッセイ』を観てきました。

『ボーン』シリーズなどで人気を博したマット・デイモンが火星に取り残された宇宙飛行士を演じるSFアドベンチャーです。



あらすじ
火星での有人探査中に嵐に巻き込まれた宇宙飛行士のマーク・ワトニー(マット・デイモン)。乗組員はワトニーが死亡したと思い、火星を去るが、彼は生きていた。空気も水も通信手段もなく、わずかな食料しかない危機的状況で、ワトニーは生き延びようとする。一方、NASAは世界中から科学者を結集し救出を企て、仲間たちもまた大胆な救出ミッションを敢行しようとしていた。


この作品、一言で感想を述べると傑作です。
個人的にはロン・ハワード監督の名作『アポロ13』に匹敵する感動作と思いました。

内容的には無人島でサバイバル生活を行う『キャスト・アウェイ』と『インターステラー』、に『ゼロ・グラビティ』風味を付けたような感じですが、主人公には切羽詰まった悲壮感がありません。
とにかくポジティブに物を考えて生き抜いて行こうします。

実はこの作品、アカデミー賞の前哨戦と言われるゴールデン・グローブ賞のコメディ/ミュージカル部門に分類され、作品賞&男優賞の受賞を果たしたのですが、シリアスな題材なのに、???何故コメディ部門と観る前は感じていました。
でも実際に観賞してみると、思わず笑いがこみ上げる愉快なエピソードが満載で、それぞれの場面に70年代のディスコ音楽が上手くシンクロしていくのですよ。
この70年代ディスコヒット曲集は宇宙船の船長が地球から持ってきたCDで、それを心の支えに明るく振る舞えたのですね。
あまり映画の中で流れている曲を意識したことは今までなかったのですが、この絶妙の選曲センスにはうなってしまいました。

例えば生き抜くぞ、と主人公が思ったシーンでグロリア・ゲイナー『恋のサバイバル』
NASAが彼を助けようとして作戦をみんなで立てるところでかかる曲が何とデビッド・ボウイ『スターマン』です。
他の曲もリアルタイムで聴いていた曲で、歌詞の内容がある程度分かっていたので楽しさ倍増でした。

映像もハリウッドとNASAの全面的なコラボレーションの結果、火星をリアルに再現し、宇宙空間や無重力描写も素晴らしく、救助作戦に奮闘するNASAの描写も現実的で、SF映画として納得できる内容でした。
あまりにも科学的な知識や考証を求められた『インターステラー』より、万人に敷居の低い分かりやすいSF映画だと思います。

爽やかな後味の後日談も考えて作られていて、まだ2月ですが私にとって今年一番の映画になりそうな感じがしました。

今回の評価は95点です。

  1. 2016/02/10(水) 18:32:18|
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映画 『ザ・ウォーク』

最近、自宅DVD観賞を含めて映画を観ていまして、今日も映画ネタの記事です。

観たのはロバート・ゼメキス監督の最新作『ザ・ウォーク』です。
タイトルだけ見ると何の映画なのか全く想像もできませんが、内容は1974年にワールド・トレード・センターにおいて命綱なしで綱渡りに挑戦した、フィリップ・プティの著書を実写化した実録ドラマなんです。

先ずは予告編を見てください。
映画館でこの予告編を見てしまい、これは外せない映画だと思ってしまいましたよ(笑)


あらすじ
1974年。フランス人の大道芸人フィリップ・プティ(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、誰も考えついたことのない挑戦をすることに。それはニューヨークのマンハッタンにそびえ立つ2棟構造の高層ビル、ワールド・トレード・センターの屋上と屋上の間にワイヤーロープを張って命綱なしで渡っていくというものだった。そして、ついに決行の日を迎えるフィリップ。地上110階の高さに浮いているワイヤーを、一歩、また一歩と進んでいく彼だったが……。


綱渡りの事をワイヤー・ウォークと言うそうですので、それがタイトルになったようですが、この映画単に高さ411メートルのツインタワー(ワールド・トレード・センタービル)の間にワイヤーをかけて綱渡りをするだけではなく、ちゃんと友情や愛などの人間模様も織り込んでいて、とてもしっかりとした作りになっています。

主人公のプティがサーカス団と出会った幼き日から、オスカー俳優のベン・キングズレー演じる師匠との出会い、そして両方のビルの間にワイヤーを架けるまでのスパイ映画さながらの展開、そして芸術的な犯罪と称された“祭”の後の姿までを描いていて、観終わった後の爽やかさが心に染みる佳作でした。

ちなみにフィリップ・プティのドキュメンタリー映画『Man On Wire』がこの映画の元ネタのようですので、その予告編をご覧ください。
フィリップ・プティが顔出ししています。



このプティになりきったのが、役に対する作り込みが半端じゃないジョセフ・ゴードン=レビットです。
個人的にこの俳優の映画が大好きで、今回も生粋のアメリカ人なのに、フランス訛りの映画をしゃべりまくり、綱渡りに関してはフィリップ・プティから猛特訓されて、かなりな部分を自分で演じていたらしいです。
実際は3.6m程度の高さにワイヤーを張って撮影したそうですが、その高さでも怖いですよね。

でも最後の30分に渡る地上411mの綱渡りシーンはこの映画の白眉でした。
3Dで観賞したのですが、これほどまでに高度感を感じた映像は初めてでした。
ワイヤーを張るシーンから正に手に汗にぎりっぱなしで、緊張して観ていたので、終わった後は脱力感を感じたほどです。

しかし、911にてこの世から消え去ったワールド・トレード・センターの姿を、また映画で再現して見られるとは思ってもいませんでした。当時はこの二棟が抜きんでて高いビルだったのですね。
70年代の音楽やファッション、車もふんだんに表現されていて、当時の風が再び吹いている感じがしました。

いろいろノスタルジーに浸った点も含めて、今回の評価は90点です。
これは映画館で3Dで観賞することをお勧めします。

  1. 2016/01/29(金) 21:17:56|
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映画 『白鯨との闘い』

映画館でかなり前から予告編を流していて、これは外せない映画と思っていた『白鯨との闘い』を観てきました。



この作品、ハーマン・メルヴィルの「白鯨」をリメイクしたものとばかり思っていたのですが、白鯨との死闘は悲惨なお話のごく一部にすぎず、もっと人間の尊厳にもかかわる奥深い話だと分かりました。

「白鯨」はメルヴィルが書いたフィクションであり、その話の裏があるとは今回初めて知りました。
元ネタはナサニエル・フィルブリックのノンフィクション「復讐する海 捕鯨船エセックス号の悲劇」だそうで、実際の作品の内容は海洋サバイバルアドベンチャーです。

あらすじ
1819年、エセックス号のクルーたちは鯨油を入手するためにアメリカ・マサチューセッツ州のナンタケット島を出港する。一等航海士オーウェン・チェイス(クリス・ヘムズワース)をはじめとする乗員たちは、太平洋沖4,800キロメートルの海域で白い化け物のようなマッコウクジラと遭遇。彼らは強大な敵を相手に必死で抵抗するものの船を沈没させられ……。


監督のロン・ハワードは最近、実話に基づいた作品を手掛けるようになった感じがしますが、前作『ラッシュ/プライドと友情 』はF1レーサーのニキ・ラウダとジェームス・ハントが壮絶なタイトル争いを繰り広げたドラマを映画化した佳作で、今回も無鉄砲で自信家の一等航海士チェイスと、経験値は浅いが名家の出だからと船長の座を獲得したポラードのライバル関係が物語をけん引するようで、とても期待していた作品でした。

でもこの作品はアメリカではあまり当たらなかったようです。
完全に『スターウォーズ』に話題をさらわれた感じがしますが、話の内容がとても重いので一般受けしなかったのでしょうね。
でも海洋スペクタクルな映画は大好きですし、人間ドラマが濃厚に出ていたので、今回もなかなかの佳作だと思いました。

しかし日本版のタイトル『白鯨との闘い』は配給会社の完全な失敗です。それは内容のごく一部に過ぎないんですから・・・
原題は『IN THE HEART OF THE SEA』。海の真ん中で、とか海の中心で、なんていう意味ですが、陸から数千キロも離れた大海のただ中で船が沈没した状況に自分が置かれたら、と考えただけでも絶望的になります。

今回の評価は80点。自分はロン・ハワード監督の作品と感性があっているように感じます。



  1. 2016/01/27(水) 23:14:35|
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映画 『アンナプルナ南壁 7,400mの男たち 』

昨日の記事に引き続き、DVDで観賞した『アンナプルナ南壁 7,400mの男たち』の感想です。

この作品は世界的にも登頂が困難を極め、登山者の4割近くが亡くなるという難易度の極めて高い、ヒマラヤ山脈のアンナプルナ南壁における救出活動を描いた山岳ドキュメンタリーです。

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作品名だけ見て上質な山岳映画と勝手に思い込んでしまったのですが、2008年5月、尾根を横断中に高山病に倒れたスペイン人登山家のイナキ・オチョア・デ・オルツァを救うため、急遽同地へ向かった世界10ヶ国12人の登山家を訪ね、当時の貴重な映像を交えながら世紀の救出劇を振り返る内容で、当時の緊迫した実際の救助活動の映像を見せるものではなく、主に関係者や救出に向かった登山家達のインタビューが延々続く内容でした。



ここでも史実なのでネタバレしますが、結果的に高山病に倒れて7400mのテントから動けなくなったイナキ・オチョアは、仲間の救助も空しく亡くなってしまいます。
助かると思って期待しながら見ていたのですが、この作品も見終わった後の空虚感が半端じゃありませんでした。


それにイナキ・オチョアを含めて、救助に向かった登山家達が山の世界でいかに評価されているのか全く分かっていなかったため、その行動の凄さが伝わってこなかったです。
この作品に関しては、事前に各々の人物像を把握して観たほうが、よりドキュメンタリーの迫真に迫れると感じました。

何せイナキ・オチョアが無酸素で8,000m峰全14座のうち12座に登頂し、2008年までに、ヒマラヤ山脈の山の登頂に30回、8,000m級の山の登頂に15回挑戦し、8,000m級の24時間登頂を成功させたこともある超人的な登山家とは観賞した後で知る事となりました。
そして自らの登山計画を断念してまで救助活動に参加し、イナキ・オチョアの最後をテントの中で付き添ったスイスの登山家ウーリー・ステックはアルプス三大北壁の最速登頂記録を持ち、卓越した登攀技術と常人離れした高所耐性から、「スイスマシーン」の異名をとっている超人とは思いもよらなかったです。

ウーリー・ステックが2008年にアイガー北壁ソロ 最速登頂記録・2時間47分33秒を記録した映像があります。



内容のほとんどが救助活動に参加した登山家のインタビューで綴られていますが、世界的登山家が語る、何故山に登るのか、友情とは、など哲学的な珠玉の言葉が胸を打ちます。
一番友への友情を感じた言葉は『俺たちは違う国から来た、だけど山という一つの国の住人なのさ。』でした。

この作品の評価は何も映画館の大きなスクリーンで観る価値が薄いと思ったため、50点です。
登山が趣味じゃない人が観たら間違いなく居眠りしてしまうでしょうね(笑)


  1. 2016/01/21(木) 17:59:39|
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映画 『K2 ~初登頂の真実~』

映画館ではなくレンタルDVDで観賞した『K2 ~初登頂の真実~』のレビューです。

内容はエベレストよりも登頂が難しく、非情の山と恐れられているカラコルムの高峰K2初登頂の陰に隠された真実に迫る山岳ドラマです。
この世界第2位の高峰は1954年に2人のイタリア人登山家が歴史的偉業を成し遂げるも、その後50年以上も初登頂をめぐりクライマーたちの名誉を懸けた訴訟が繰り広げられました。
その実話を基に、イタリア隊によるK2制覇の全容を、『ラ・ボエーム』などのロバート・ドーンヘルム監督が山岳ロケを駆使して描き出しています。
イタリアの若手実力派俳優マルコ・ボッチらが出演となっていますが、最近イタリア映画は観ていないので、よく分んない方です。


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あらすじ
1954年イタリア、世界でも2番目の標高である高峰K2への初登頂を目指しイタリアの大学教授で富豪のアルディト・デジオ隊長率いる最強のアルピニストチームが結成される。
体力と精神力が常人よりも強いボナッティ(マルコ・ボッチ)はチームで一番年下ながら仲間を支え困難を乗り越えていくが、登頂アタックのクライマーにコンパニョーニ(マッシモ・ポッジョ)が選ばれる。しかし、ボナッティに初登頂の栄誉を奪われることを恐れたコンパニョーニは、妨害しようと考え……。




K2(ケーツー)は、カラコルム山脈にある山で、標高は8,611m、エベレストに次ぐ世界第2位の高さがあります。パキスタンのギルギット・バルティスタン州と、中華人民共和国のウイグル自治区との国境に位置すしますが、中国側(北側)からアプローチするのは困難なため、ほとんどの登山者はパキスタン側のバルトロ氷河からアプローチします。
登頂の難しさでは世界最高峰のエベレスト(標高8848m)よりも上で、世界一登ることが難しい山とも言われており、その理由として、人が住む集落から離れていることによるアプローチの困難さ、エベレストよりも厳しい気候条件、急峻な山容による雪崩、滑落の危険性などが挙げられます。
遭難者の数も多く、2012年3月までの時点で登頂者数306人に対し、死亡者数は81人に達し(その時点でのエベレスト登頂者数は5656人)。チャールズ・ハウストン、ロバート・ベイツ共著の書籍のタイトルから「非情の山」とも呼ばれています。

本作品はK2の初登頂の栄光の影に隠れた、人間のエゴの醜さを表現したもので、観終わった後の後味の悪さったらハリウッド映画では考えられない程の作品でした。

全部史実に基づく内容なので、ネタバレしますが、その詳細はこんな感じです。【「ウッキペディア」より抜粋 】 

遠征の最終段階になり、第8キャンプにいる隊員達でさらにもう一つ上部に第9キャンプを作る必要があった。
隊員のリーノ・ラチェデッリの体調は良かったが、登攀リーダーのアキッレ・コンパニョーニは消耗が激しかった。
コンパニョーニは「自分は翌日の最終キャンプの設営に加わるが、その後なお不調なら、アタック隊員としてボナッティに交代してもらう」と切り出し、ボナッティは酸素ボンベを荷上げするために下のキャンプへ下降することとなった。
ボナッティは下から登ってきたフンザ人ポーターと合流して再び最終キャンプ目指して登り返すが、コンパニョーニとラチェデッリは体調の良いボナッティに自分達の立場が脅かされることを恐れて、約束より高い場所にキャンプを設営していた。
ボナッティとポーターは最終キャンプを発見できず、8100メートルの高度で露天ビバークを強いられる。
声の届く距離にいた登頂隊の2人は夜になって呼びかけに反応し、「そこにをボンベを置いて下山しろ」という。
ボナッティは彼らが迎えにくることを望んだが、それ以後いっさい応答はなくなった。ボナッティとポーターは強風に耐え、翌朝にボンベを残して下山。
登頂隊の2人は酸素ボンベを回収し、K2初登頂に成功する。ポーターは重度の凍傷を負い、手足の指の切断を余儀なくされた。
                             
これだけでも仲間の命の危険性を軽んじる酷い行為なのに、この話は後日談があります。

帰国後、コンパニョーニは遠征報告書に「酸素ボンベの気圧が低く、頂上に着く前に酸素ボンベが切れた。抜け駆けして頂上を目指していたボナッティが酸素ボンベを吸ったからだ」と書き、自分の正当性を主張して、それがイタリア山岳会の公式見解となっていた。
しかし第9キャンプへ登るときにボナッティは酸素マスクや混合弁を持っておらず、ボンベを使うことは不可能だったのである。

後に、ボナッティは名誉回復のため裁判をおこし、そして50年後の2004年、もう一人の《初登頂成功者》であるラチェデッリが、沈黙を破って、著書でボナッティの訴えを認めたため、イタリア山岳会も2007年にボナッティの説明が正しいことを認めた。

遠征登山とは登頂と言う一つの目標のために、登頂者以外は縁の下の力持ちの役に徹する非常さがありますが、一緒に生死を共に仲間をこれほどまで貶めた罪は初登頂の栄誉を辱める行為に他ならないと感じました。

それにもう一点、登攀シーンがヨーロッパアルプス辺りで撮影されたとバレバレで、K2の険しさがイマイチ伝わらなかったです。

その事もマイナスポイントで、この作品の評価は後味の悪さも含めて55点でした。


  1. 2016/01/20(水) 18:00:44|
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映画 『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』

1977年に公開された『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』をリアルタイムで観たときの感激と昂揚感を今でも忘れることはありません。

個人的に宇宙のSFものが大好きですが、その後、『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』、『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』を観るにつけ、壮大なるスペースオペラの世界に引きずり込まれていった自分がいました。

その後、、アナキン・スカイウォーカーを主人公とする新3部作で、アナキンがダークサイドに堕ちてしまい。ダース・ベイダーと銀河帝国の誕生の秘密が明かされますが、この6作品がアナキン・スカイウォーカーの生涯を綴った物語であることが分かります。

以上の6作品をもって監督:ジョージ・ルーカスはスターウォーズの物語を終焉させると明言しましたが、ルーカスの頭には後日潭の3作品を制作する構想もあったと言われています。
しかし彼も歳とって、そこまで作品を作り上げるモチベーションがなくなったのでしょうか。
『新作を作る度にスターウォーズフリークから批判されるので嫌になった。』と言う発言もあり、ルーカスフィルムも含めた『スターウォーズ』の全ての権利をディズニーに売却してしまいます。

そして今回、新たな3部作として『スター・トレック』シリーズなどのJ・J・エイブラムスが監督を務めたのが『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』でした。
昔からのスターウォーズファンとしては見逃すことは不可能で、期待して本作品を観に行ったのです。



あらすじ
遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。
第2デス・スターが破壊されたエンドアの戦いから約30年後。最後のジェダイであったルーク・スカイウォーカーが姿を消して以降、銀河帝国の残党により「ファースト・オーダー」と呼ばれるグループが結成され、再び銀河に脅威をもたらしていた。ルークの双子の妹、レイア・オーガナ将軍は独自の軍事組織「レジスタンス」を結成し、新共和国の支援の下、ファースト・オーダーに立ち向かうためにルークを探していた。
ルークの所在が記載されている地図を手に入れたレジスタンスのポー・ダメロンは砂漠の惑星「ジャクー」でファースト・オーダーに捕まるが、その直前にその地図を自分のドロイドであるBB-8に託す。その後BB-8は、ジャクーで孤独な少女レイに出会い行動を共にする。
一方、ポーの捕獲作戦でジャクーにおけるファースト・オーダーの殺戮に参加していたストーム・トルーパーの1人フィンは、あまりの残虐さにファースト・オーダーの存在に疑問を持ち、ポーと共にファースト・オーダーのファイナライザー(スター・デストロイヤー)からTIEファイターで脱走するがジャクーへ不時着しポーとはぐれてしまう、その後砂漠のオアシスでレイとBB-8に出会う。
その後すぐに、BB-8を捕らえようとするファースト・オーダーの追手に襲われたレイとフィンは、たまたま近くにあった宇宙船でジャクーを脱出する。その船こそ、盗まれたためハン・ソロの手から離れていたミレニアム・ファルコンだった。



今回の新作で何が嬉しいたって、旧作品で活躍したハン・ソロ = ハリソン・フォード、ルーク・スカイウォーカー = マーク・ハミル、レイア・オーガナ将軍 = キャリー・フィッシャーの面々が30年の時を経てスクリーンに登場した事でした。
まるで懐かしい仲間と同窓会を一緒にしている感じがして、登場シーンには胸が高鳴ってしまいましたよ。
でも映画だけではなくリアルタイムで経過した30年の年月。
皆さん歳とってしまったなぁ~と言うのが偽らざる感想です。


この点だけでも観た甲斐はあったのですが、ストーリーについては完全にエピソードⅣの焼き直しと言うか、流れがほとんど一緒で少し?マークを付けざるを得ませんでした。
もう少し兵器などの新しいガジェットを盛り込めば良かったのですが、敵味方とも30年前の兵器と全く変わっていなかったのはSFファンとしては物足りません。

それに一番の欠点は悪役の魅力のなさが半端じゃない点です。
前作品群に登場したシス卿ダーク・シディアスやダース・ベイターは恐ろしいくらいの迫力があったのですが、今回の悪役陣はそれが希薄なのが本作品の一番の失敗だと感じました。
ダークサイドに落ちたカイロ・レンが未だに正義と悪の狭間で悩む葛藤なんて必要ないんです。
エピソードⅢでアナキン役のヘイデン・クリステンセンがダークサイドに落ちた瞬間、目つきまで変わり、非道で情け容赦ない悪役に転じた演出は見事でしたが、カイロ・レンのような癇癪持ちで部下にも敬遠させるシーンを観ると、監督はダークサイドの意味を取り違えている感じがします。
それに弱すぎ・・・

また、アンディ・サーキス演じるファースト・オーダー最高指導者スノーク が余りにも漫画的過ぎて駄目です。
ここは冷酷な面構えの生身の人間を出さないと。
思わずこの作品は『ロード・オブ・ザ・リング』かとのけ反ってしまいましたよ(苦笑)

まあ、これ以上詳しく書き過ぎるとネタバレになるので、これで止めておきますが、作品全体としては以前のスターウォーズの世界観を継承していて、違和感なくストーリーに入り込めました。
あまりVFX(ビジュアル・エフェクツ)やCGに頼らない、実写のイメージを大切にした点では、旧三部作的な感じで好感が持てました。

余談ですが、新キャラのドロイド:BB-8は可愛かったです。
2年後の公開される次回作では、お馴染みのC-3POやR2-D2との愉快な絡みが出てきそうで楽しみですよ。

今回の評価は、もう無いと思っていたスターウォーズをまた観られた事への感謝も込めて80点
次回作で『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』の焼き直しのような話にならない事を期待しましょう。

  1. 2015/12/22(火) 18:18:05|
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映画 『007 スペクター』

日曜日は朝8時半に起き、かなり寝坊してしまいました。
近郊の低山を登る予定でしたが、泉ヶ岳には雲がかかって、空はどんより曇っています。

何か山に行くモチベーションが無くなってしまったので、のんびり新聞を読んでいると、映画欄に『007 スペクター』が先行上映されているのを見つけてしまいました。

スターウォーズが上映されると映画館が激混みの可能性が高いですし、待ち焦がれていた映画でしたので、これは行かねば後悔すると思い、午後の部を観に行きました。

6代目ジェームス・ボンド役のダニエル・クレイグは今作で4本目の出演です。
ファッショナブルな従来の路線からシリアス路線に変わって、新たなジェームス・ボンド像を作り上げた彼の功績は素晴らしく、然作品とも大好きな映画でした。
今回はショーン・コネリーボンドの時に、強大な敵役として君臨していたスペクターが終に登場することで大いに期待していました。

今作品も前作同様サム・メンデス監督がメガホンを取ります。前作の『スカイフォール』の続きの話なので、前作を観ていない人は話の内容についていけないかもしれません。
気になるボンドガールはイタリアの至宝と呼ばれるモニカ・ベルッチと、フランスを代表する演技派のレア・セドゥが熱演します。
そして前作より更に明らかになる彼の幼少期の秘密が物語のキーとなっているようです。



あらすじ
ボンド(ダニエル・クレイグ)は、少年時代の思い出が詰まった生家“スカイフォール”で焼け残った写真を受け取る。彼はM(レイフ・ファインズ)が止めるのも無視して、その写真の謎を解き明かすため単身メキシコとローマを訪れる。死んだ犯罪者の妻ルチア(モニカ・ベルッチ)と滞在先で巡り合ったボンドは、悪の組織スペクターの存在を確信する。


感想

ダニエル・クレイグ版のボンドは今回の『スペクター』の後、もう一作出演する契約だったようですが、怪我続きや結婚した女優のレイチェル・ワイズとの結びつきをより深くしたいために、今作品でボンド役を降板したい意向を持っているらしいです。
聞くところによると007のギャラは75億円ですが、収録期間が8ヶ月もあり、そこまで拘束されるのは肉体的にも厳しい歳になっていたようです。

この情報は映画を鑑賞した後情報なんですが、映画のラストシーンは完全に完結していて、ダニエルが降板するのは確実のようにも思えました。


そんな事はさておき、映画の感想ですが、過去3作の内省的な暗い内容から少し脱却して、従来路線のボンド像を出してきた感じです。
オープニングのメキシコのシークエンスのアクションは、凄い迫力で、長回しシーンから目が離せなくなります。
その後のアクションシーンも、『ミッションインポッシブル』ほどではないですが、CGをあまり使っていないので、真実味溢れる内容となっています。

そして明らかに『ロシアより愛をこめて』や『女王陛下の007』などの過去作品のオマージュシーンが出てきて、思わずニャッとさせられました。

でもスペクターの敵役であるブロフェルドがボンドを執拗に狙う動機がいけません。
これを言っていまうとネタバレになるので控えますが、ダニエル・クレイグ版過去3作の全ての事件が集約される脚本は何とかならなかったのでしょうかね。
折角、演技派のクリストフ・ヴァルツを敵役で使っているのだから、もっと重厚な悪役像を構築して欲しかったです。

しかし今回はM:レイフ・ファインズやQ:ベン・ウィショー、そしてマネーペニー:ナオミ・ハリスなどの脇役の活躍シーンもあって、昔からのファンにとってはとても楽しめた映画でした。

今回の評価は85点。
ダニエル・クレイグ版ボンドの最終章?として全4作品を楽しませてくれた事に敬意を称します。




  1. 2015/12/01(火) 00:10:00|
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