東北の山遊び(雑記帳)

日々感じた事を気の向くままに書いていきます。添付写真とは無関係な内容も多いです。

映画 『日本のいちばん長い日』

最近、BSで1967年制作、岡本喜八監督作品の『日本のいちばん長い日』を放送していました。
日本映画の中でも10本の指に入るほど優れた作品で、今まで3~4回は観ていると思います。
1945年8月14日から15日までの24時間をドキュメンタリー風に克明に記録していて、終戦に至る厳しい局面がつぶさに現れていました。
特に三船敏郎が演じた阿南陸軍大臣の迫力は彼にしか表現できない迫真の演技だったと思います。

さて、今回映画館で観たのは戦後70年を記念して制作された『クライマーズ・ハイ』『わが母の記』などの原田眞人監督によるリメイク作品です。

半藤一利のノンフィクションを基にした群像歴史ドラマ大作で、鈴木貫太郎内閣の誕生する1945年4月の時点に遡り、太平洋戦争での日本の降伏決定から、それを国民に伝えた玉音放送が敢行されるまでの裏側を見つめています。



実はこの作品は私の身内にもいろいろ関わりがあるお話で、公開されたら観に行かねばならないと思っていました。
内閣総理大臣の鈴木貫太郎と私の曽祖父はとても仲が良かったらしく、叔母からその話はいろいろ伺っていました。
また、8月14日の深夜に、陸軍士官であった私の父は、戦争継続のために上官から非常呼集されたと聞きました。

あらすじ
1945年7月。太平洋戦争での戦況が悪化する日本に対して、連合軍はポツダム宣言の受託を迫る。連日にわたって、降伏するか本土決戦に突き進むかを議論する閣議が開かれるが結論を一本化できずにいた。やがて広島、長崎に原爆が投下され、日本を取り巻く状況はさらに悪くなっていく。全国民一斉玉砕という案も取り沙汰される中、内閣総理大臣の鈴木貫太郎(山崎努)や阿南惟幾陸軍大臣(役所広司)は決断に悩み、天皇陛下(本木雅弘)は国民を案じていた。そのころ、畑中健二少佐(松坂桃李)ら若手将校たちは終戦に反対するクーデターを画策していた。


今回のリメイク版は、終戦の1日に起きた切迫した状況を表現する点では物足りません。
陸軍下士官が宮城を占拠した宮城事件が軽く扱われているのです。

しかし、原田監督は、岡本喜八監督、橋本忍さん脚本の1967年版「日本でいちばん長い日」では登場しなかった昭和天皇をあえて登場させた点でご聖断による終戦の意味づけがより浮き彫りにされています。
岡本喜八監督版では昭和天皇はロングショットやバックショットを多用して、昭和天皇を真正面から捉えた作品は日本映画の中では存在しませんでした。

原田監督は『「立憲君主制の中で自由もなく、まさに『耐えがたきを耐え』てきた昭和天皇が、ここで止めないと日本という国がなくなるという思いで聖断を下すさま、苦悩を含めた“人間”としての昭和天皇・裕仁を描きたかった」』と述べていますが、その狙いは素晴らしく、それを演じた本木雅弘の寡黙で静かな熱演には目頭が熱くなってしまいました。

そして玉音が放送された15日の朝に自害した阿南惟幾陸軍大臣(役所広司)。
天皇陛下のご聖断と、陸軍の主戦派との間に板挟みになり、苦悩する姿は、三船敏郎とはまた違った人間味に溢れていて良かったです。
最後は切腹自害する事でしか、陸軍大臣として、本土決戦の血気にはやる下士官の気持ちを抑え込む方法が無かったんでしょうね。

こんな作品を観てしまうと、やはり如何なる理由があっても、国民を不幸にする戦争は行っては駄目と思ってしまいます。

あの終戦の日本で一番長い日がなかったら、戦死者は300万人に収まらず、日本人の存続も危ぶまれる状態になったろうし、北海道はソビエトに蹂躙されて、国土は南北分断されていたかもしれません。

憲法解釈を勝手に変えて、安保法案を可決させようとする内閣がいる、この時期だからこそ観ておきたい映画だと思います。

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  1. 2015/08/21(金) 20:54:07|
  2. 映画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

昭和天皇が戦争終結決断した皇居の防空壕が
初めて公開されましたね。
戦後70年の時代が変わってきてます。
考えさせてくれる映画のようですね。
核爆弾を落としたのは実験の為とも言われてますね。(既に日本は負けるのは分かっていて)
安保・・岸総理の時代・・そして安倍晋三首相が母方の祖父である岸信介を尊敬していて
最近の内閣の強健な保守思想が強くなってきているのを感じますね。
利己的といったあの馬鹿者政治家も配下にいましたね。
  1. 2015/08/22(土) 09:00:47 |
  2. URL |
  3. ク~ #TU21jv9k
  4. [ 編集 ]

ク~さん今晩は。
戦後70年、日本が極右に舵取りされている事に危惧を感じています。
その時代に今回の映画は小さなさざ波を立てたものと思います。
当時の政治家が命を懸けて成し遂げたこの平和の意義を大切にしたいと感じました。
あの小物政治家ははっきり言って議員辞職すべきですよね。
小選挙区で一党が大勝すると、あの様な不適正な政治家まで当選してしまうのは、民主党政権の時代からありましたね。
  1. 2015/08/22(土) 18:52:29 |
  2. URL |
  3. SONE #QVCxQ8ys
  4. [ 編集 ]

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