今日はゆず君とくるみちゃんの月命日です。
虹の橋を渡ってからくるみちゃんは4ヶ月、ゆず君は1ヶ月が過ぎました。
未だに賑やかだった猫たちがいなくなった寂しさは癒えませんが、ペットロスから立ち直り、ようやく猫のいない生活にも慣れてきました。
ここで心に区切りをつけるため、ゆず君との出会いと別れを振り返りたいと思います。
2015年5月6日、山形県寒河江市の猫の保護活動をされている方からゆず君をもらい受け、里親になりました。

ゆず君ともう一匹の白黒猫〈仮の名前はゴマちゃん)は桜が満開の長岡山公園に捨てられていたそうです。
公園内で作業していた方々から昼はお弁当をもらっていたとか。
捨て猫が長岡山にいる、という情報を受けて猫保護活動をされている方が公園に行ってみると、二匹はフレンドリーに近づいてきて、そのまま抱っこして保護できたと聞きました。
初めて会ったゆず君は人懐こい、の評判通り、撫でてやると直ぐにお腹を出してゴロゴロ喉を鳴らします。
車に乗せるとマスさんの膝の上で大胆にも寝ていました。

ハナちゃんと初顔合わせが済んで、意外に喧嘩にもならず打ち解けたと思いましたが、それは間違いでした。
3日後にハナちゃんが何度もトイレに入るので、心配になって病院に連れて行くと、ストレスから膀胱炎になったとの診断です。
神経質な先住猫のところに、新たに新しい猫を一緒にすると、かなりな確率で膀胱炎を発症するらしいです。
薬を飲ませたら膀胱炎はすぐに治り、しだいにゆず君との距離が縮まってきました。
追いかけっこと、軽いもみ合いでじゃれあっている事が多いです。
そして少し時間がかかりましたが、二匹は仲良しになりました。

2016年8月、ゆず君の元気が急になくなり、ほとんど動けない状態になってしまいました。
病院での診断は猫白血病ウィルス感染症の発症により重度の貧血状態にあるとか。
この病気は治癒が困難で、出て来た症状に合わせた対症療法をするしかないですが、皮下点滴と抗生剤などの注射を行うと、ゆず君の病状は一気に改善しました。
しかしこの後、症状は一進一退を繰り返し、貧血状態が完全に収まるまで4ヶ月を要しました。
半年に一回血液検査を行う経過観察も必要になりました。

ゆず君は去勢した雄猫ですが、急に盛りが付いてしまってハナちゃんに何時も付きまとっています。
ハナちゃんも避妊手術を受けているので子供ができる事はないのですが、去勢猫でも雄の本能が残っているらしく、困ったことにハナちゃんの首根っこを噛んで押さえつけようとします。
ハナちゃんにとっては痛く噛まれるようなので、毎度悲鳴を上げているのが可哀想です。
そんな理由からハナちゃんはゆず君のことを少し避けるようになってしまいました。

2016年5月、ハナちゃんは口内炎が発症してしまいました。
ここからが大変。
体調が良くて餌を食べている時と、下痢や口内炎が酷くなって食べられない時が交互に出てきて、なかなか気が休まらない状態が2016年12月まで続きました。
ゆず君はそんなハナちゃんの体調の悪さが一切分かっておらず、ハナちゃんの事を追いかけ回すので、ハナちゃんに完全に嫌われてしまいました。
でも何故か追いかけっこが二匹とも好きなようで、家の中を攻守ところを変えて追いかける遊びは毎日やってました。
その攻守の切り替えが見えないところで行っていたので、未だに切り替えの瞬間がどうなっていたか謎です。

長らく病気の治療を行っていたハナちゃんですが、12月27日・午前4時52分、私に看取られながら虹の橋を渡りました。
血液検査の結果は重篤な貧血だったようで、猫白血病ウィルス感染症エイズのダブルキャリアと分かりました。
口内炎が腫瘍になっていたようで、餌をほとんど受け付けなくなり、体重は3kgを割っていました。

たった3年8ヶ月の短い生涯だったハナちゃん。
野良猫の保護はいろいろ難しいと実感させられました。
一人残されたゆず君。
ハナちゃんが急にいなくなったので、さぞかし悲しんでいるだろうと思っていたのですが、全然そんな気配はなく、寂しさを紛らわせるように人により甘えるようになりました。

家にお客さんが来ると大喜びです。
撫でられるとゴロゴロ喉を鳴らしてお腹を見せてくれます。
それを宅急便の配達の方にまで行っていました。
ゆず君のお気に入りの寝床がここ。

父親が高額なお値段で購入したマッサージ器の上です。
この姿を見てゆず社長だね、とマスさんと二人笑ってしまいました。
ゆず君のお仕事は庭に入ってくる猫を監視する事です。
雄猫がくると窓越しに唸りあって口喧嘩していました。
しかし雌猫がくると猫撫で声で呼んでいます。

夫婦二人とゆず君一匹の穏やかな時間が過ぎていきました。
でも山に早朝から出かけて夜遅く帰宅するとゆず君はとても寂しそうにしていました。
玄関で帰りを待っているようです。
そこで雌の子猫を新たに家に迎えることにしました。
そして2019年10月12日、豪雨で甚大な被害を及ぼした台風来襲の間隙をぬって、くるみちゃんを山形に引き取りにいきました。

やんちゃで遊び好きのくるみちゃんは、元々が大らかな性格だったようで、家に来て3日後にゆず君と対面させたら、その日の内に仲良しになりました。

ゆず君は優しく、とても面倒見の良い猫でした。
くるみちゃんもゆず君のやっている事を観察して、その行動を真似していました。
来客の方にゆず君が最初に甘えると、それを見てくるみちゃんもお客さんに近づいていくことが多々ありました。
いつも二匹で寄り添っているのを見ると、こちらまで心が温かくなります。

2020年の初夏。
コロナ禍で世の中が殺伐としていますが、猫との暮らしは穏やかに過ぎています。
しかしそんな幸せな日々は長くは続きませんでした。
2020年8月31日、くるみちゃんが急に餌を食べなくなり、よく観察すると呼吸数が多くなっています。
慌てて病院に連れて行きましたが、エコー検査やレントゲン検査の結果は胸にリンパ腫が発症しているとの事。
ゆず君が猫白血病ウィルス感染症キャリアなので、同じ病気のキャリアであるくるみちゃんを飼ったのですが、危惧していたことが起きてしまいました。
猫白血病ウィルス感染症のキャリアで悪性のリンパ腫を発症してしまうと、ほとんど助からないと聞いています。
体力がある猫なら抗がん剤治療で寛解させることもあります。
しかし胸水が溜まっている状態では対症療法しか出来ないとか。
抗がん剤治療を行ってよい結果が出ても、一般的な余命は7ヶ月しかありません。
くるみちゃんは呼吸がどんどん荒くなり、4時間に一度利尿剤を飲ませて胸水をおしっことして出す治療を続けました。
最後には在宅酸素まで行いましたが、治療の甲斐なく9月22日の早朝、くるみちゃんは虹の橋を渡っていきました。

この写真は亡くなる4日前の9月11日朝、仕事に出かけるマスさんを見送りに玄関まで歩いてきたゆず君とくるみちゃんです。

くるみちゃんの看病疲れで私は体調を崩してしまいました。
血圧が今まで経験がないほど上がりました。
悪いことはそれで終わりません。
くるみちゃんの看病に気を取られて、ゆず君の身にも病魔が襲っていることに気が付かなかったのです。
最初に気づいたのはマスさん。
ゆず君の右大腿部に大きな固いしこりを見つけました。
翌日、病院で診断してもらうと傷から炎症を起こしたようだとして、抗生剤と炎症止めの注射をしてもらい、在宅でしばらく注射を続けてもらって様子をみることとなりました。
その後、2週間が経ち、ゆず君のしこりはかなり小さくなり安心できました。
11月1日、ゆず君が急に餌を食べなくなったので、しこりの原因究明のためにセカンドオピニオンとして病院を変えてみました。
そこで判明したのはステロイド剤を続けて処方したために肝機能が悪くなっていて食欲がなくなった点です。
しかしその病院への通院は全て病院側の予約が取れた時間のみ、そして毎日通院しろ、と言われ、無理な話なので以前の病院に血液検査を持参して戻りました。
そんな状態なのでステロイド剤の処方を少し抑えねばならず、食欲は戻った反面、しこりは発見時以上に大きくなってしまいました。
併せて免疫機能が低下してきて、注射をした首の後ろの毛が抜け、皮膚は壊死を起こし始めて、今度は痒みが酷くなってきました。
今度は抗ヒスタミン剤の注射をして痒みを抑えます。
でも懸命の治療を行ってもしこりはどんどん大きくなり、肛門付近まで広がってきました。
ゆず君はこの頃からマスさんに今まで以上に甘えるようになりました。

ここまで行くと総合どうぶつ病院しか対応できない状態のため、12月19日に紹介状を持って総合どうぶつ病院へ行きました。
そこでしこりの病理検査を行うため、一部小さく切開して組織を採取しました。
これがゆず君の命を奪うことになるとは思いも寄らなかったです。
12月20日の夜、寒いので布団の中に入っていたゆず君が失禁していました。
それからトイレに立つことも出来ず何度も失禁します。
翌21日の月曜日、ゆず君を慌てて動物病院に連れていきました。
体温が測定不能なほど低下しています。
帰宅後、ゆず君の身体を温めてあげましたが、どんどん呼吸が弱くなってきました。
そして12月22日午前0時、ゆず君は私とマスさんに見守られながら息を引き取りました。
くるみちゃんが亡くなったから3ヶ月しか経っていませんでした。
病理組織を採取した右足が3倍程度膨れています。
おそらく小さな組織採取時の傷が元で内出血を起こし、急激な貧血状態に陥ったと思いました。
その後、ゆず君の腫瘍は皮膚型の悪性リンパ腫との診断結果が示されました。
でもしこりは気がついたときに人間でいうとステージ4程度に大きくなっていたので、抗がん剤治療を行っても良い結果は得られなかったと思います。
抗がん剤治療で苦しめ、わずかに余命を延ばすことは人間のエゴでしかなかったでしょうから、苦しむ時間が短く虹の橋を渡れたのは、ゆず君にとって幸せだったのかもしれません。
今は天国で大好きなくるみちゃんと二匹で寄り添っているのでしょう。

今まで第一期は7匹、そしてハナちゃんとゆず君とくるみちゃんを迎えた第二期の猫との生活を経験しましたが、大らかさ、穏やかさん、優しさ、人懐こさ、甘え上手な点においてゆず君がダントツでした。
ゆず君の温和な眼差しで見つめられると、嫌なことや悲しいことを忘れさせてくれます。
家に来たお客さんもお腹を出して甘えるゆず君にほとんどの方が魅了されました。
お盆に棚経をあげているお坊さんにも擦り寄っていましたよ。
ただ一人、動物嫌いと思われる営業の方がまったく相手をしてくれないので、ゆず君は当惑していましたが・・・
ゆずくんもいなくなって家の中の火が消えた感じです。
年末年始は何もやる気が起きず、山歩きに出かける意欲もなくなりました。
外出して家に帰ってくると、私の車を音を聴きつけて玄関で待っているゆずくんの姿はありません。
寒い夜に布団の中に入ってくるゆず君がいないと、極寒の夜はより寒さがひとしおです。
でもそんなペットロスも時が解決してくれるようで、今は亡くした悲しみより、ゆず君と過ごした心癒される日々を懐かしく感じるように気持ちが変化してきました。
そして、ようやくゆず君の思い出を記事にあげることができました
以前you tubeにアップした動画は一部曲が著作権の関係でブロックされたので、曲を入れ替えて新たつなげた動画に編集し直しました。またそれ以降の動画をゆず君目線で新規に作ってみました。
2本の動画はどちらも少し長尺ですけど、宜しければご覧ください。
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- 2021/01/22(金) 21:19:40|
- 猫
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