新型コロナウィルスの感染拡大でエンタメ業界はライブが開催できず延期になったり、公演自体が中止になってしまったり大変な事になっています。
そんな中、私がよく行く映画館は座席を一つずつ離して鑑賞券を販売したり、お客さんが座った座席を映画終わった後に念入りに清掃するなどの対応をしている模様です。
そしてこの度、アカデミー賞主演女優賞を獲得した
映画『ジュディ 虹の彼方に』を見に行きました。
『オズの魔法使』『スタア誕生』で知られる女優・歌手のジュディ・ガーランドを、『シカゴ』などのレネー・ゼルウィガーが演じた伝記ドラマです。
あらすじ
ミュージカル映画のスターだったジュディ・ガーランド(レネー・ゼルウィガー)は、遅刻や無断欠勤を重ねた結果、映画のオファーがなくなる。借金が増え続け、巡業ショーで生計を立てる毎日を送っていた彼女は、1968年、子供たちと幸せに暮らすためにイギリスのロンドン公演に全てを懸ける思いで挑む。ジュディ・ガーランドはハリウッドの黄金期に活躍した女優ですが、私は年代的に一番輝いていた時代を知りません。
かなり経ってから『オズの魔法使』と『スタア誕生』を見ました。
今見ても『オズの魔法使』は夢が溢れる作品で、ミュージカルの金字塔と言っても良いでしょう。
その後、彼女は1969年に睡眠薬の過剰摂取で47歳の若さでお亡くなりになるのですが、それも後で知ったことです。
今回の作品は彼女は逝去する半年前のロンドン公演のお話だそうです。
その時代の彼女のことは全く知らないので、ジュディ・ガーランドについてネットで予習してから鑑賞しました。
それは正解でした。
この作品は『オズの魔法使』を撮影した頃と、ロンドン公演の二つの時間軸で話が進行します。
『オズの魔法使』の撮影は17歳の少女にとって過酷極まりないもので、太りやすい体質が故に、当時は合法だった覚せい剤をずっと飲まされていたのです。
映画ではこの点はオブラートに包んで表現していたので、ずばり出して欲しかったです。
覚せい剤の副作用でジュディは不眠症と統合失調症に生涯悩まされます。
その事を知らないで、ロンドン公演時の彼女を見たら、すぐヒステリーを起こし、仕事をすっぽかす、とんでもない中年女性のイメージしか湧かないでしょう。
彼女は生涯で5人の男性と結婚しますが、心と身体が病んだ状態での結婚生活は長続きしないのは仕方ないことだと感じました。
こんな話を聞くと、嫌らしい女の映画の何処が良かったの?
という話になりますが、嫌々ながらもステージに上がり、歌い出した途端にジュディは光輝き、まったく別な顔を見せるのです。
ジュディ・ガーランドを演じたレネー・ゼルウィガーは半年も歌と踊りのレッスンに励み、見事にジュディ・ガーランドになり切っていました。歌を聴いて鳥肌が立ったのは久しぶりです。
そしてラストの一曲には自然に涙が流れていまいました。
ハリウッドの栄光の影に犠牲になった一人の女性の生きざまが見事に表現されていたと思います。
評価は90点。映画館は空いていましたよ。
こんな新型コロナウィルスの問題がでている時に封切りされたのは残念です。
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- 2020/03/09(月) 21:31:49|
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