今年度のアカデミー賞で作品賞受賞の最右翼と思われていた
『1917 命をかけた伝令』を見てきました。
第1次世界大戦フランス戦線を舞台にした戦争ドラマで、若きイギリス兵士二人が重要な任務を命じられ、最前線に伝令に走る一日の物語を、全編を通してワンカットに見える映像で映し出しています。
あらすじ
第1次世界大戦が始まってから、およそ3年が経過した1917年4月のフランス。ドイツ軍と連合国軍が西部戦線で対峙(たいじ)する中、イギリス軍兵士のスコフィールド(ジョージ・マッケイ)とブレイク(ディーン=チャールズ・チャップマン)に、ドイツ軍を追撃しているマッケンジー大佐(ベネディクト・カンバーバッチ)の部隊に作戦の中止を知らせる命令が下される。部隊の行く先には要塞化されたドイツ軍の陣地と大規模な砲兵隊が待ち構えていた。噂にたがわぬイイ作品でした。
全編をワンカット風に撮影するという驚愕のつくりは、実際に戦場にいるような臨場感があり素晴らしかったです。
1台のカメラだけでは撮影できない場面において、その編集技術の妙には驚かされます。
それでも長回しの連続でしょうから、演じている俳優たちの緊張感も想像を絶するものだったでしょう。
一人間違えば、そのカットは最初から撮り直しでしょうから・・・
但し、話しの内容は意外にスカスカで、主人公二人の人生がほとんど語られていないために、行動や考えていることに感情移入があまりできませんでした。
また、ラストは決して戦いに勝利した、というものではないため、見終わった後の高揚感もありません。
その意味では『ダンケルク』に内容も撮影技法も近い作品と感じました。
いわばドキュメンタリー映画を見た感触です。
マッケンジー大佐(ベネディクト・カンバーバッチ)がスコフィールドにかけた言葉「今日は作戦中止の命令が届いたが、明日は別な伝令が別な指令を送り届けてくる。」
命を賭して走り抜けたミッションの虚しさと、戦争の儚さが良く分かります。
この作品の評価は85点です。全編をワンカット風の編集をしたために、前半は二人の兵士の無駄話が多く、見ていて眠くなってしまいました。
話の内容が単純なので、話題性を得る方便として全編をワンカット風の作品にした感じがします。
でも戦場の臨場感を体感したかったら是非とも映画館で見るべき作品です。
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- 2020/02/20(木) 18:05:13|
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