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東北の山遊び(雑記帳)

日々感じた事を気の向くままに書いていきます。添付写真とは無関係な内容も多いです。

映画 『凪待ち』

『凶悪』などの白石和彌監督がメガホンを取った映画『凪待ち』を見てきました。
パートナーの女性の故郷・石巻で再出発を図ろうとする主人公を、元SMAPの香取慎吾が演じています。

あらすじ
木野本郁男(香取慎吾)はギャンブルをやめ、恋人の亜弓(西田尚美)と亜弓の娘の美波(恒松祐里)と共に亜弓の故郷である宮城県の石巻に移住し、印刷会社で働き始める。ある日、亜弓とけんかした美波が家に帰らず、亜弓はパニックになる。亜弓を落ち着かせようとした郁男は亜弓に激しく非難され、彼女を突き放してしまう。その夜、亜弓が殺される。




予告編が何やらサスペンス仕立てのようになっておりますが、もっとヒューマンドラマに振られた内容です。
本作品は今年観た映画の中で最高傑作と言えるものでした。

香取慎吾がジャニーズ時代には絶対にキャスティングされないような、ギャンブル依存症のどうしようもないクズ野郎:郁男を演じていています。
しかしそんな駄目人間ながら、内に何かしら優しさを秘めているので、周りの誰もが彼に助け舟を出してしまいます。
そんな他人の優しさを裏切り続ける郁男の行為を見ていて居たたまれない気持ちなります。
でも何とか更生して欲しいと願い続けながら、彼を心の中で応援している自分がいました。

この作品の舞台となったのは、未だに震災の爪痕が残る石巻。
既視感ある風景がスクリーンに展開します。
亜弓の実家である雄勝の水分浜から見た小富士山と、凪いだ雄勝湾の静かな風景は見知っているだけに、作品に親近感を抱かせてくれました。
その反対に荒野のような日和大橋の下での惨劇と、美波が同級生と会話する、津波で壊滅的な被害を被った門脇地区の殺伐とした風景は、荒んだ郁男の心象風景を現しているように感じました。

この作品は郁男の堕落と再生の物語です。それを震災で未だ復興事業が続いている石巻の風景とダブらせて描いています。
落ちるだけ落ちた郁男が破滅寸前に救われた時の号泣には私も自然に涙が流れました。
郁男が真っ直ぐ前を見て操船するラストの眼差しは、暗い物語の最後に一条の光を与えてくれました。

これまでのアイドルの香取慎吾が、本格俳優として開花した作品になったと思いますし、脇を固める白石組の名優たちの演技も秀逸でした。

評価は95点です。
ジャニーズ事務所に対する忖度から、おそらく日本アカデミー賞にはエントリーされないかもしれませんが、作品賞に値する内容を持っている作品だと思いました。

マイナス5点は、亜弓を殺害した犯人の動機がよく分からなかった点です。
そこは観客が各自判断して、という事なんでしょうが、その点を少しでも掘り下げて欲しかったです。

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  1. 2019/06/29(土) 20:19:54|
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