なかなか面白い長編冒険小説を読んだので紹介します。
書店で何気なく手をとった文庫本ですが、紹介文が面白そうなので購入してみました。
『天空への回廊』というタイトルで、作者の笹本稜平さんの著作は初めて読みました。
【 内容 】エベレスト山頂近くにアメリカの人工衛星が墜落!
雪崩に襲われた登山家の真木郷司は九死に一生を得るが。親友のフランス人が行方不明に。
真木は、親友の捜索を兼ねて衛星回収作戦に参加する。ところが、そこには全世界を震撼させる、とんでもない秘密が隠されていた。
八千メートルを超える高地で繰り広げられる壮絶な死闘。大薮賞作家、渾身の超大作!!
【 感想 】読後に一番感じたのは映画化された
『ミッドナイトイーグル』にプロットが近いと言うことです。
但し、あのお話は日本国内の山岳地帯がメインですが、本作品は世界の最高峰エベレストが舞台で、規模が数倍も大きい小説になっています。
登場人物も多彩で、一人ひとりの思惑が複雑に、かつ多層的に絡んでくるので読んでいて飽きさせません。
しかし今までの謀略サスペンス物と一番異なっているのが、敵の存在以上に重く圧し掛かってくる高度の壁です。
世界的にも著名な登山家である真木にとっても、単独&無酸素でエベレストに何度も挑みかかる姿が壮絶そのものでした。(実際にこんなスーパーマン的な登山家はいないでしょうか・・・)
作者の都合よく物語が運び過ぎるところが見受けられますが、最後は悲しい結末で終わった『ミッドナイトイーグル』とは異なり、読後感も爽やかに終わったところはとても良かったです。
高所登山やロッククライミングを知らない方には、登山の専門用語が沢山でてくるので、なかなか理解できない点も多いと思いますが、久々に重厚な山のフィクションを読んだ感じがしました。
この作品を是非ハリウッドで映画化して欲しいものです。
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- 2012/09/06(木) 23:05:44|
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| コメント:2
お早うございます。
山岳小説と思いましたが・
人工衛星がエベレストに落ちてからの
物語ですね・・
映画「クリフハンガー」、を思い出しますが・・
主人公は高度な技術を持った登山家なのでしょうね・・映画化されるかな・?
小説の方が
想像力わいて面白いでしょうね。
清掃登山の野口さんどう思うでしょうね。
日本人の山岳団体が一番ゴミを
回収しないで帰って来るとか・
とは話がそれました。
- 2012/09/07(金) 06:24:54 |
- URL |
- ク~ #TU21jv9k
- [ 編集 ]
ク~さん今晩は。
山岳小説というよりアクション小説といった感じです。
「クリフハンガー」は札束を強奪しようというお話でしたが、主人公が超人的な点では似ているかもしれません。
これだけ壮大な話になりますと日本での映画化は無理でしょうね。日本人がたった二人しか出てきませんでした。
この小説にもエベレストのゴミの記載がありました。
特にシェルパが神聖な山を汚されたと怒っておりましたよ。
- 2012/09/07(金) 19:32:49 |
- URL |
- SONE #QVCxQ8ys
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