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東北の山遊び(雑記帳)

日々感じた事を気の向くままに書いていきます。添付写真とは無関係な内容も多いです。

映画 『万引き家族』

カンヌ国際映画祭で日本人監督で21年ぶりに最高賞のパルムドールを受賞した、
是枝裕和監督による人間ドラマ『万引き家族』を見てきました。

2018061101.jpg

この作品、是枝監督が親の年金を不正に受給していた家族が逮捕された事件に着想を得たと言われています。

あらすじ
治(リリー・フランキー)と息子の祥太(城桧吏)は万引きを終えた帰り道で、ベランダに出されて寒さに震えるじゅり(佐々木みゆ)を見掛け家に連れて帰る。見ず知らずの子供と帰ってきた夫に困惑する信代(安藤サクラ)は、転んだと主張するが、どう見ても幼児虐待が疑われる傷だらけの彼女を見て世話をすることにする。信代の妹と思わせておいて、最後に意外な関係性が分かる亜紀(松岡茉優)を含めた一家は、初枝(樹木希林)の年金を頼りに生活していたが……。




子どもは生れた環境や親を選べません。
暑い車の車内に置き去りにされた祥太(城桧吏)や、火傷や傷を負い、「ごめんなさい。」と発するじゅり(佐々木みゆ)を見逃すことができず愛情を授けて世話する事に決めたが、そこは社会の底辺にいて、万引きまどの犯罪を犯さないと生活を維持できない家庭だった。

愛情がなく虐待をする実の親と、犯罪に手を染めさせる愛情ある偽家族のどちらの環境が子供は幸せか?
目黒の5歳の虐待死した女の子の悲痛な叫び「じぶんからきょうよりか もっともっとあしたはできるようにするから もうおねがいゆるしてゆるしてください。」に心が揺すられたばかりのこのご時世で、これほどタイムリーな映画もないでしょう。

それ以上に衝撃だったのが、貧しいながらも幸せに見えるこの家族が全て血のつながりが無かった点です。
初枝(樹木希林)の年金を頼りにより集まっただけの関係ですが、夫を略奪され一人寂しく暮らす独居老人の初枝にとっては、この疑似家族は安らぎの場所だったのかもしれません。

物語はエンタメ性皆無で淡々と進行します。
そんな点が評価の境目だと思いますが、私は純文学のように行間を読ませる独特の編集に浸れました。

そして柄本明演ずる商店の優しい店主の一言が、息子の祥太(城桧吏)に万引きは犯罪であるという価値観を芽生えさせます。
そこから大きく物語は展開していくのですが、これ以上はネタバレになるので書きません。

現代の日本は勝ち組と負け組に大きく分かれていく時代に入っています。
この映画は勝ち組の方々の視点から見ると、とてもおどろおどろした辛気臭く、見るに堪えない作品と思われてしまうかもしれません。しかし現実社会の中の底辺で蠢くこんな人たちにクロースアップした点で大きく評価できると感じます。

本作は俳優陣の素晴らしい演技が光りますが、その中でも樹木希林の演技には唸らされました。
家族全員で海水浴に行った時、砂浜に佇む樹木希林の遠いまなざしには、「こんな幸せは長く続かないんだよ。」と言う思いが込められている感じがしました。

素晴らしい作品だったので評価は95点。
マイナス5点はじゅり(佐々木みゆ)の行く末を案じてしまったからです。




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  1. 2018/06/11(月) 18:50:25|
  2. 映画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

盗んだのは・・絆・・・
目黒の件等
最近の悲しい世相を反映してますね。
  1. 2018/06/12(火) 07:02:39 |
  2. URL |
  3. ク~ #TU21jv9k
  4. [ 編集 ]

ク~さんこんにちは。
今の究極の負け組の姿を世界に発信した作品です。
考えさせられる内容でした。
  1. 2018/06/12(火) 13:00:41 |
  2. URL |
  3. SONE #QVCxQ8ys
  4. [ 編集 ]

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