黒澤明の傑作『七人の侍』と同作をリメイクした『荒野の七人』を原案にした西部劇
『マグニフィセント・セブン』を観てきました。
『荒野の七人』の原題は『THE MAGNIFICENT SEVEN』なので、原題的にはまったく同じです。
『マグニフィセント』の意味を調べてみますと、「壮大な、雄大な、豪華な、すばらしい、見事な、格調の高い、崇高な」などの意味があるようです。
自分の命を賭して農民達を守ろうとする姿勢は正に崇高な存在でしょうね。
あらすじ
悪漢バーソロミュー・ボーグ(ピーター・サースガード)によって牛耳られ、絶望を感じながら生きているローズ・クリークの町の人々。住民の一人であるエマ・カレン(ヘイリー・ベネット)は、賞金稼ぎのサム(デンゼル・ワシントン)、ギャンブラーのジョシュ(クリス・プラット)、流れ者、拳銃の達人といった7人の男を雇って、バーソロミューの手から町を救い出すように頼む。金のためと割り切って戦いに身を投じるサムやジョシュだったが……。
黒澤明の『七人の侍』(1954年)はハリウッドの巨匠と呼ばれる監督でも、あの完成度に達する作品は滅多にお目にかかれないと思っていますが、そのリメイク版『荒野の七人』(1960年)も個人的には大好きな作品です。
そんな訳で今回のリブート作品には大いに期待していました。
『荒野の七人』に比べると、7人のメンバー構成が多様な人種に置き換えられ、時代の変化に従った変更点が観られます。
無法者も実業家が金鉱の採掘を目当てに村人を村から追い出そうと言う動機に変わっていて、以前の作品のような農作物の搾取でななくなりました。
肝心のガンアクションですが、七人のガンファイトもそれぞれに個性を出しています。
しかし如何せん映画の尺の問題もあり、各々のガンマンが村を守る動機が弱い。
金のためと称するなら、当時の金銭価値で幾ら報酬があるのか、それを見ている人に示して欲しかったです。
村民たちからの懇願を受けて村を守ると意気に感じるシーンもないまま、だらだらと仲間になっていくのは違和感がありました。
最後にリーダーであるサム(デンゼル・ワシントン)が復讐と言う思惑があって戦いに加担したことが判明しますが、他のメンバーはその私怨に巻き込まれたような感じがしてすっきりしません。
それに『七人の侍』の最後の肝である「負け軍だったな、勝ったのは農民・・・云々」が表現されていなかった点が残念でした。
でもエンドクレジットであの名曲が聴けたのは最高でしたよ。
評価は70点です。
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- 2017/02/03(金) 21:59:24|
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