東北の山遊び(雑記帳)

日々感じた事を気の向くままに書いていきます。添付写真とは無関係な内容も多いです。

映画 『エヴェレスト 神々の山嶺』

『エヴェレスト 神々の山嶺』夢枕獏の小説「神々の山嶺」を実写化した映画です。
過去にその小説の文庫本を読んでいて、狼と異名をとった不世出の日本人クライマー森田勝さんを題材にした発想の面白さに魅了されました。

ちなみにこの野武士然とした男性が森田勝さんです。

c0219866_13164242.jpg

今回の映画はその森田勝を題材にした、羽生丈二というアルピニストを、阿部寛が演じると言うことで大いに期待していたんです。

ところが映画が公開された直後から、Yahoo映画のレビューは非難ごうごうで、これは観ない方が良いかな?と思うようになってしまいました。
山仲間のナカシィさんも観てきたそうですが、かなり酷い印象の映画だったようで、逆に私が観た感想を聞きたいとまで言われてしまい、重い腰を上げて観ることにしました。

あらすじ
ネパールの首都カトマンズ。ヒマラヤ山脈が見えるその街で、日本人カメラマンの深町誠(岡田准一)は古めかしいカメラを見つける。それはイギリス人登山家ジョージ・マロリーが、1924年6月8日にエベレスト登頂に初めて成功したか否かが、判断できるかもしれないカメラだった。カメラについて調べを進める深町は、羽生丈二(阿部寛)というアルピニストの存在にたどり着く。他人に配慮しない登山をするために孤高の人物となった彼の壮絶にして崇高な人生に触れるうちに、深町の胸にある思いが生まれる。




まあ、1000頁にも渡る小説を2時間の映画枠に凝縮するのだから、小説のエッセンスのみで終わってしまう映画かな、と思っていたのですが、あまりにも端折り過ぎの内容に唖然としてしまった、と言うのが素直な感想です。

でもエベレストに行くまでは、意外に納得できる展開でした。
(まあ、1960年代とそれ以降の時間軸の変化が画面ではほとんど分からない問題はありますが・・・)
しかし深町の二度目のネパール行きからグダグダな展開になって行きます。

ここからはネタバレありです。




とにかくこの深町っていう人物が余りにも滅茶苦茶な人間で、全く感情移入できないんですよ。
やることなすこと自分の限界を知らなさ過ぎで、栗城以上に無謀にエベレストに登っていこうとします。

羽生の後を追って遭難寸前に陥り、羽生に助けられ、その救助作業による時間の遅延が元で羽生は遭難したのかもしれません。

全く動機が分からない二度目のエベレスト挑戦では、どこから遠征費を工面したのかも理解不能ですし、しかも羽生の元カノの岸涼子(尾野真千子)まで同行します。
何故かノーマルルートを登る深町ですが、天候悪化にも関わらず、停滞しないで登り続けた結果、遭難しかかります。
ほとんど行動不能の状態で岩陰に入ると、そこであたかも蝋人形のように見える羽生の遺骸に遭遇します。
この遺骸は阿部が自演したものだそうですが、凍っているはずが微妙に動いて気味が悪いです。

さらに阿部の遺骸がスターウォーズで霊体になったオビ=ワン・ケノービの様に話しかけてくるではありませんか。
その生きろ!と言う啓示を受けて、深町はゴーグルも帽子もはぎ取って、猛吹雪の中を下山し始めます(オイオイ)。

ベースキャンプで待つ岸は『この山は大切な人の命をいくつ奪うの?』なんて言っていますが、無茶して突っ込む人が悪いだけで、エベレストは単にそこに存在しているだけです。
挙句の果てに深町と岸があたかも恋人であったかのような演出がされていて、帰らぬ深町の身を案じて涙する岸、『生きるんだ!』と叫びながら晴れた緩やかな雪原をふらふらになりながら下山する深町。
この二人、そんな関係だったのですか???????

しかし前段でマロリーのカメラの謎を追うミステリー仕立てにした意味が、最後まで全く回収されないのは何故?
羽生の霊体がそばにあるマロリーの遺体のザックの中に、エベレストを登頂したかどうかが分かるフィルムがある、と言っているのに、深町は『そんな事はどうでもいい。』と言い放ちます。
こんな事なら最初からマロリーに関する逸話は一切省いてくれたほうが潔く、羽生に感化された人間模様だけを深く表現してもらったほうが良かったと思います。


本作品の脚本が駄作と思っている『日本沈没』のリメイク版と同じ方でした。
さもありなんの、同系列の脚本です。



そんな訳で、この映画はお金払って観ると憤慨しそうな雰囲気を醸し出していたため、溜まったシネマポイントでの観賞でした。
それは正解。

まあ空気が地上の1/2しかないエベレストのベースキャンプ周辺で演技された俳優さんの苦労を加味して、
今回の評価は50点です。

エベレストに登ったシーンはほとんどCGなので、NHKあたりの番組で撮影した映像の方が迫力があると思います。
以前番組で放送していたグレートサミッツの山岳映像の方が格段に上ですよ。



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  1. 2016/03/17(木) 20:38:09|
  2. 映画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
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コメント

あーあ。

恐れていたことが・・・
やっぱり見るのやめよう(^^;)
原作がかわいそうだ。
  1. 2016/03/18(金) 10:55:50 |
  2. URL |
  3. morino #ew5YwdUc
  4. [ 編集 ]

morinoさん今晩は。
登山を全くやらない人が観ればすんなり観れるかもしれません。
岡田君ファンなら納得できそうですが、日本映画でこのスケールを出すのは所詮無理な注文でしたね。
  1. 2016/03/18(金) 17:04:47 |
  2. URL |
  3. SONE #QVCxQ8ys
  4. [ 編集 ]

初めまして(*^^*)
とむかのの友人で、その流れで以前からちょいちょい覗かせていただいておりました。
山登りをしない私にとって、バーチャルの世界のように、行った気にさせてくれる山記事を楽しませていただいております~(*^^*)
今回、映画【エベレスト 神々の巓】を私も見まして、ここ映画が何を伝えたいのか、さっぱりわからなく、ただ呆然と眺めて終わった感じでした。
山登りをされてるかたの意見を聞けて楽しかったです。
岡田准一ファンの私、ファンの欲目から見ても納得のいかない映画で、私の映画記録から抹消されることでしょう。

ちょっぴり長くなりました。すみません。
今後も楽しい記事を楽しみにしていますm(__)m

  1. 2016/03/18(金) 21:00:36 |
  2. URL |
  3. みかりん #-
  4. [ 編集 ]

ありがとうございます。

私の言いたかったことが素晴らしい表現力の感想で描かれていてスッキリしました(^^)
  1. 2016/03/18(金) 21:29:13 |
  2. URL |
  3. ナカシィ #1wIl0x2Y
  4. [ 編集 ]

みかりんさん、初めまして。
コメントをいただきありがとうございます。
とむかのさんのブログでよくコメントは拝見しておりました。
岡田君のファンの方でも納得できない出来の映画だったのですね。
ジャニーズの中では一番の岡田君を使っているのに、あの演出や脚本では本当に勿体ないことです。
原作は羽生に対する語り部的な役が深町だったので、この映画の役の改悪は目に余りました。
これからも拙ブログをよろしくお願いいたします。
登山をやらない方には分からない標記も多いとは思いますが、今後もお付き合いください。
  1. 2016/03/18(金) 22:08:28 |
  2. URL |
  3. SONE #QVCxQ8ys
  4. [ 編集 ]

ナカシィさん今晩は。
まだまだ言い足りないですが、評価のポイントを要約するとこんな記事になってしまいましたよ。
  1. 2016/03/18(金) 22:14:09 |
  2. URL |
  3. SONE #QVCxQ8ys
  4. [ 編集 ]

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